ピエール瀧被告にコカイン譲渡女「ミーハーな気持ち」
テクノユニット・電気グルーヴのメンバーで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)にコカインを譲り渡したとして、麻薬取締法違反の罪に問われた無職・田坂真樹被告(48)の初公判が25日、東京地裁で開かれた。田坂被告は3月11日、横浜市内の駐車場で、瀧被告にコカイン6グラムを15万円で譲渡したとされ、「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役2年6月を求刑して、即日結審。判決は28日に言い渡される。
25年ほど前にクラブで瀧被告と知り合った田坂被告。週2~3回会って旅行にも行くなど、親密な仲だった。お互いに家庭を持ったことで、約15年前からは会うのは年1回程度に減っていたが、7~8年前に初めて薬物の受け取りを、実情を知らされないまま瀧被告から依頼されたという。薬物の“渡し役”は「継続的にありました」といい、「数十回?」と確認されると「ハイ」と答えた。今年だけでも瀧被告から田坂被告の口座へ3度、いずれも15万円以上の入金記録が残っていた。
犯行動機について田坂被告は、「瀧さんみたいな有名芸能人と仲がいい優越感がありました。ライブのチケットを取ってもくれたので。ミーハーな気持ち」と説明。金銭的な報酬はなかったことを主張した。
瀧被告とは通信アプリ・LINEを利用し、薬物に関する直接的な表現は避けて、隠語でやりとり。売人から連絡を受けた田坂被告が、3月6日に瀧被告へ「週末に飲み会をしたいと思って、お店を探してますが、来ますか?」とメッセージを送ると、「行く行く。月曜じゃダメ?」と返信があったという。同11日(月曜)の夜に田坂被告から瀧被告へ、コカインが渡された。
弁護側は「瀧さんに利用された側面もある」と情状を訴えた。裁判官から「瀧への不満は」と聞かれた田坂被告は、首を左右に大きく振って否定していた。検察側は懲役2年6月、追徴金14万9197円を求刑した。
麻薬取締法違反(使用)の罪に問われた瀧被告は今月18日、東京地裁で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けた。自身の公判で「(田坂被告の)連絡先は消去し、今後連絡を取ろうとは思わない」と話した。