「イッテQ」BPOが他の祭り企画19件にも問題指摘 虚偽ナレーションなど
放送倫理・番組向上機構(BPO)は5日、都内で会見し、日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」の人気シリーズ「祭り企画」の海外ロケにおけるやらせ疑惑に対する審議結果を発表し、「程度は重いとは言えないものの、放送倫理違反があったと言わざるを得ないと判断した」と断じた。放送倫理違反と認定した2つの祭り以外にも、初開催だったのに「年に1度」と説明したものなど19件の祭りに関し、問題点を指摘した。
BPOは会見で、週刊文春でやらせ疑惑が報じられた昨年5月20日放送「ラオス・橋祭り」に、17年2月12日放送の「タイ・カリフラワー祭り」を合わせた2件について、「2つの祭りは番組のために現地で用意したものであった」とした。
問題点として、祭り企画が始まった当初から、それぞれの祭りについて十分な確認をしないままに『年に1度の』『前年王者』『今年も優勝の呼び声高い強豪』などと、視聴者誘導の事実とは異なるナレーションやスーパーをかぶせていたと指摘した。
また日本テレビが過去放送したほかの109件の「祭り企画」に関する自主報告があり、(1)厳密に言えば初開催であったのに「年に1度」と定形化したナレーションを行ったケースが3件 (2)不定期開催の祭りを「年に1度」と紹介したものが9件 (3)開催場所の変更が3件 (4)原型を失わない範囲でのルール変更などが8件 (5)ロケ都合などで開催時期の変更が3件--などの調査結果を示した。
日テレ側は週刊文春のでっちあげ報道を否定した1週間後、大久保好男社長が会見し、同企画の休止を発表。やらせ意図は否定する一方で、番組側から祭りの開催費用や参加者への賞金支払いなどがあったことを認めている。