三田佳子「気張らないこと教わった」佐藤純彌監督、坂上順プロデューサー「偲ぶ会」
今年2月9日に亡くなった映画監督の佐藤純彌さん(享年86)と、5月18日に亡くなった映画プロデューサーの坂上順(すなお)さん(享年79)を「偲ぶ会」が5日、東京・千代田区の如水会館で行われた。発起人を務めた女優の三田佳子(77)は「純彌監督から教わったのは“気張らないこと”でした」としんみり。同じく発起人を務めた俳優の北大路欣也(76)ら600人とともに、映画界を駆け抜けた同志をしのんだ。
発起人を代表してあいさつした三田は、祭壇に向かって「さみしいです。でもこれが現実なんですね」と語りかけた。映画「愛欲」、「続王将」など、駆け出しの頃から佐藤監督と仕事を共にしていたこともあり、演技に迷ったときには相談を持ちかけることもあったという。
「愛欲」の現場では、三國連太郎さんとのラブシーンで下着がずれて裸が見えてしまったことがあった。だが、恥ずかしがる三田を尻目に、佐藤監督は「そう。まぁいいんじゃない」とどこ吹く風。三田は「監督から教わったことは“気張らないこと”でしたね」としみじみと振り返った。
坂上プロデューサーからは、三國さんの七回忌で顔を合わせたときに「佐藤さんを偲ぶ会の発起人を頼みます」と頼まれていたという。その2人の「偲ぶ会」を合同で行うことになり、「人生ってこんなものだなぁって思います」と切なさを語っていた。
また、映画「空海」で主演した北大路は「佐藤監督は優しい目で見てくれるんですが、それが一番緊張しますね」と振り返った。坂上プロデューサーと同様に映画への純粋な情熱を持っていたとし、「愛をもらって、支えていただいた、と感じるんです」と感謝は尽きなかった。