ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏が９日午後４時４７分、都内の病院で、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で亡くなった。８７歳。昭和、平成、令和の３時代にわたり、途切れることなくスターを送り出してきたジャニー氏。それぞれのグループごとに「王子様」「司会」などキャラクターの違うメンバーを揃え、幅広い魅力でファンを取り込んだ。小学、中学世代の少年たちでキャラクターがかぶらないようにするのが特徴的だった。

　くしくも、「Ａ．Ｂ．Ｃ－Ｚ」の河合郁人が６月２０日放送のテレビ番組でジャニー氏の原石を見いだす眼力のほかに、独特の“アイドル育成法”について明かしている。

　河合は「ジャニーさんの育成術、教育の仕方」について言及。５人グループなら、グループ内での担当が「王子様」「司会」「天然」「兄貴分」「オンリーワン」の５つのキャラクターに分類されることを指摘した。

　王子様キャラ（東山紀之、ＫｉｎＫｉ　Ｋｉｄｓ・堂本光一、嵐・松本潤、ＮＥＷＳ・手越祐也）に対し、ジャニー氏は「ユー、かっこいいよ、間違ってないよ」と自信を持たせるという。例えば嵐の松本潤。言うまでもなく「王子様キャラ」だが、ジャニーズＪｒ．時代、Ｖ６らのステージでＪｒ．のメンバーは全員ステージからはけた（退出した）にもかかわらず、１人、外周を回り、観客に手を振り続けるという目立つ行動に出た。当然、振付師には怒られたが、ジャニー氏は「ユーはスターだよ」と褒めたという。

　司会キャラ（中居正広、ＴＯＫＩＯ・国分太一、関ジャニ∞・村上信五、Ａ．Ｂ．Ｃ-Ｚ・河合郁人）の人たちには、「ユー、突っこんじゃいなよ」とボケてくるのだという。例えば、ジャニー氏が「ユー、最近忙しいね、変態（ヘンタイ）だね」と言った時に、「いや、大変（タイヘン）だろ！」とツッコミを返すと、すごく喜ぶのだという。

　天然キャラ（嵐・相葉雅紀＆大野智、Ａ．Ｂ．Ｃ－Ｚ・塚田僚一、Ｋｉｎｇ＆Ｐｒｉｎｃｅ・平野紫耀）については、何を言っているか分からないことが多々あるが、ジャニー氏はそれを否定せず、「ユーは天才だよ」と褒めて育てる。

　兄貴分キャラ（滝沢秀明氏、ＴＯＫＩＯ・松岡昌宏、Ｖ６・坂本昌行）には、「ユー、まとめちゃいなよ」と責任感を持つよう育成する。

　オンリーワンのキャラ（木村拓哉、ＴＯＫＩＯ・長瀬智也、ＫｉｎＫｉ　Ｋｉｄｓ・堂本剛）に対しては「誰もマネできないぐらい才能とかカリスマ性を持っているので信頼して、ジャニーさんは何も言わない」（河合）といい、「この３人（木村、長瀬、剛）ぐらい、堂々とヒゲはやせるのは」と解説していた。