おりも政夫 見送りファンに手振らず、ジャニー氏に叱られた「いつもお客さん目線」
ジャニーズ事務所の初期のアイドルグループ「フォーリーブス」のメンバーで俳優のおりも政夫(66)が10日、大阪・新歌舞伎座での「市川由紀乃特別公演」出演後に取材に対応。「僕が今いるのはジャニーさんのおかげ。身近にいることができたのが一番の財産。できることならもう一度、自分の舞台の演出をしてほしかった」と、9日に死去したジャニー喜多川社長を悼んだ。
おりもは昨年9月、東京・日生劇場で行われたミュージカル「少年たち」に招待され、ジャニーズ事務所をやめて以来、24年ぶりにジャニー氏と再会した。同舞台はフォーリーブスがかつて初演した作品だった。
肌のツヤも良く、昔と変わらないジャニー氏だったという。「見に来ないかと言われてので、娘を連れて見に行った。昔の話や舞台のこと…たわいもない話をした」。20分ほどの思い出話が、最後の会話となった。
13歳でスカウトされ、ジャニー氏からほめられながら育ったというおりも。芸能界で生きていくために、必要なものを教えてもらったと振り返る。「長所を伸ばしてくれた。ダメ出しするのではなくいいところをほめてくれる。魔法の言葉をかけてくれた。うれしかったし、(自分が持っている力を10とすると)10以上のものを出せた」。
フォーリーブス時代、見送るファンに手を振らなかったおりもをジャニー氏が叱ったという。「なんで待っている子に手を振らないんだって…。自分から手を振っていた。いつもお客さん目線でいた。客の心をつかむのがうまかった」と、不世出の演出家を称えた。
9日夜、宿泊先のホテルで訃報に触れた。ジャニー氏が緊急搬送されたことを聞いても、奇跡を信じてやまなかった。「現場が好きな人だから、まだ頑張ってくれるかなと思っていた。まだまだ長生きしてくれると思っていたが…」と、永遠の別れに胸を詰まらせた。