宝塚星組トップ・紅ゆずる退団公演開幕 最後まで明るく突っ走る!

 10月に退団する宝塚歌劇星組トップスター紅(くれない)ゆずるのサヨナラ公演「GOD OF STARS-食聖-/エクレール ブリアン」(~8月19日)が12日、本拠地の兵庫・宝塚大劇場で初日の幕を開けた。

 明るい紅らしく、芝居の「GOD-」は、ハッピーエンドな作品に。紅は退団発表会見でも「もう一度人生をやり直せても、タカラヅカに入りたい」と号泣したほど、タカラヅカ愛は誰にも負けない。それだけに「好きなスターの退団は世界の終わり」だというファンの気持ちも熟知。芝居が暗いと「この世の終わりのような気分で(ショーまでの休憩を)過ごして欲しくないから、私にしかできないものを」とニヤリ。ラストシーンは「背中越しに客席を見て、舞台の奥に行くんじゃなくて、全員が舞台に出て、これから頑張るぞ!みたいなものに」という思い描いていた通りの作品となった。

 作・演出の小柳奈穂子氏は座付き演出家らしく、紅の希望はもちろん、随所で“素”の紅の魅力と役をリンク。次期トップの礼真琴(れい・まこと)とのセリフにも、バトンタッチを予感させるものがちりばめられた。

 ショーは黒燕尾やボレロなど『男役・紅ゆずる』の魅力たっぷりつまったものに。同時退団するトップ娘役の綺咲愛里(きさき・あいり)とは、芝居はもちろん、ショーでも息のあったところ見せていた。

 4月29日付けで花組から組替えし、次期トップ娘役の舞空瞳(まいそら・ひとみ)は、今回が星組初出演。礼とは実力派同士らしい、見応えのあるシーンを繰り広げていてた。

 東京宝塚劇場は9月6日~10月13日。

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