氷川きよし 10変化織り交ぜファンと“成人式”…デビュー20周年記念公演
歌手・氷川きよし(41)が12日、東京・日本武道館で、デビュー20周年記念コンサートを行った。「休むことなく歌の道を20年間やらせていただいた。40代になって人生を歌い、思いを伝えたい」と、年齢と同じ曲数に、アンコールでの2曲を加えた43曲の万感唱。衣装10変化も織り交ぜて、ファンの心を振るわせた。
成長を刻むべく、舞い戻った。デビュー5周年以降、5年ごとに節目に歌声を響かせてきた武道館。ファン8000人と共に、歌手人生の“成人式”をライブの殿堂でド派手に祝った。
「皆さまのおかげでデビューから20年。自分1人の力では何もできませんでした。全国のファンの皆さま、スタッフに支えられ、応援してくださって、今日の日を迎えることができました。感謝の気持ちでいっぱいです」。年明けから準備を進めてきたメモリアル公演。直前の七夕の短冊には、「武道館で自分らしく輝く」と願いを込めて本番を迎えた。
オープニングから度肝を抜いた。ステージ奥の巨大扉が開いて姿を見せると、3階席に相当する高さ5メートルへとリフトアップ。公演テーマをタイトルとした新曲「龍翔鳳舞」を歌いながら、黄金の龍を巻き付けた衣装の、20メートルもある緑色の裾をはためかせて、“龍神”と化した。
「七色の氷川きよしを表現したい」と宣言すると、2000年2月2日リリースのデビュー曲「箱根八里の半次郎」は、帯刀した股旅スタイルで歌い上げた。アニメソング「限界突破×サバイバー」では、ロックシンガーばりのシャウトとヘッドバンキング。アンコールは空中ブランコでフライングして、「あなたがいるから」をマイクを通さず、地声で届けた。
3時間10分のこん身パフォーマンスに、「全部自分の思いをぶつけました」と満足げ。「21年目以降はどうしようかな!?シャンソンやジャズだったり、60歳、70歳になっても、綺麗に見える音楽をやりたいですね」。20年もあくまで通過点。終わりのない歌手道に視線を向けていた。