片岡秀太郎 人間国宝に認定、「重要無形文化財保持者」…弟の仁左衛門に続き
歌舞伎俳優の片岡秀太郎(77)が19日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。歌舞伎俳優としては2016年の中村東蔵(81)以来で、15年には弟の片岡仁左衛門(75)が認定されている。
内示を受けた秀太郎はこのほど、大阪市内で会見。02年に亡くなった母親から「あなたはいろんな賞に縁遠いけど、人間国宝にだけはなってほしいわね」と言われたと明かし、「あかんと思ったけど、もらいました。(吉報に)泣きました。いただけると思ってなかった」と感激した。養子の片岡愛之助(47)らにも伝えていないと明かし、「早く言いたいです」と笑った。
大阪府出身で、上方歌舞伎の人気が落ち込んだ時期も乗り越えてきた。1946年、5歳のとき片岡彦人の名前で初舞台を踏んだ秀太郎は「5歳で名子役と言われた。『名子役は大人になったらあかん』というのが耳に入ってきて、あかんのかと思ってたら、こうなって良かったと思う。間違ってなかった」と力を込めた。
故・七代目大谷友右衛門(四代目中村雀右衛門)、坂田藤十郎(87)らからの指導に感謝する77歳は「若い人が育ってる。この人たちにがんばってもらうため、引退しないで脇に出たい。出てれば注意できる」と後進の育成に尽力することを誓った。