オードリーは「ニッポン放送にとって宝」 社長が感謝するオールナイトニッポン人気
開局65周年を迎えたラジオ局・ニッポン放送に大きく貢献するコンビがいる。土曜日の「オールナイトニッポン」(土曜、深夜1・00)を担当するオードリーだ。同局が今月発表した今年6月期の聴取率は同時間帯単独トップの0・7%を記録(ビデオリサーチ社調べ、首都圏ラジオ聴取率調査=対象は12歳から69歳の男女、2カ月に1度実施)。番組開始10周年を記念した武道館公演には会場に1万2000人、全国の映画館をつないだライブビューイングは計1万人と合わせて2万2000人(ニッポン放送発表)が集まり盛り上がった。
0・7%という数字は深夜放送であることと、昨今のラジオ全体の聴取率傾向を考えると、高い数字と言える。2016年2月度の調査以来、21回連続の聴取率単独トップであることも合わせて発表された。
6月に就任したばかりの檜原麻希社長はその勢いを「すさまじい人気」と表現する。番組スポンサーのニチレイへの好意的な反応もツイッター上では多く見られ、もはや春日俊彰、若林正恭の2人だけのものではなく、番組に関わる人、企業にまで強い影響を与えるようになったと言えるだろう。こうした番組を1つでも多く生み出すことを、ニッポン放送は狙いとしている。
同社では7月に従来の編成局をコンテンツプランニング局、営業局をコンテンツビジネス局に改称した。単に横文字にした、というわけではなく、これまでの仕事の枠組みにとらわれない発想を持とうという試みだとしている。さらに新機軸として同社のプロデューサー5人は「コンテンツプロデュースルーム」という部署の所属になり、組織の上では2つの局にまたがった立ち位置になる。つまり、プロデューサーは編成の仕事として番組の制作などを、営業の仕事としてはスポンサー獲得やイベント展開などを考えるということになる。
深夜ラジオから無限の可能性を広げていくオードリー。番組ではストイックに春日と若林の2人がそれぞれフリートークを持ち寄り、時にプライベートな話題でも身を切ってオチをつける。こうした姿を檜原社長は2人を「命をかけてラジオをやっている」と評し、「ニッポン放送にとって宝になった」と語った。その上で、「(放送局、リスナー、スポンサーなどの)三方良しのコンテンツをどんどんつくっていければと思っております」と意気込んでいた。