柳楽北斎が描く世界進出の野望 カンヌに続け!舞踏家・田中泯とダブル主演
俳優の柳楽優弥(29)が映画「HOKUSAI」(2020年初夏公開)に舞踏家の田中泯(みん=74)とダブル主演し、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎を演じることが6日、分かった。「富嶽三十六景」など3万点以上の作品を残し、世界的人気を誇る北斎が題材とあり、全世界でプロモーションを展開する予定。カンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を獲得している柳楽を筆頭に国際派の名優が集結し、世界に殴り込みをかける。
独特なタッチの浮世絵がゴッホやモネら印象派の名画家たちに影響を与え、米「LIFE」誌の“この1000年で偉大な業績を残した100人”にも選ばれている北斎。平均寿命40歳ほどだった時代に90歳まで生き、3万点以上の作品を残している大家だが、素顔を記した資料が少なく、謎に満ちた存在でもある。
売れない時代に、それでも筆を持ち続けた青年期を柳楽が、老いてなお情熱を絶やさなかった老年期を田中が担当。構想から3年をかけ、知られざる北斎の生涯を紡いだ。
世界的な「HOKUSAI」人気から国際映画祭への参加や海外配給を視野に、全世界でプロモーションを予定。14歳だった04年に「誰も知らない」でカンヌの男優賞を日本人初&史上最年少で受賞している柳楽や、舞踏家として仏ルーブル美術館に招待されたことのある田中以外にも、世界で知られる名優たちが集結している。
北斎をブレークに導くプロデューサー、蔦屋重三郎を演じる阿部寛(55)は映画「テルマエ・ロマエ」シリーズが台湾やイタリアでもヒットを記録。瑛太(36)と玉木宏(39)も「のだめカンタービレ」シリーズがアジアで高い評価を受けるなど、日本にとどまらない知名度を持つ。
“オールスター”を率い、世界に殴り込みをかける柳楽は「世界中にいる北斎の熱狂的なファンの方たちにもぜひ観ていただきたいです」と気合十分。実在の人物ながら謎めいた部分が多く、役作りが難しかったものの、「逆に(人物像が)知られていないからこそ、僕たちで『北斎像』を作り上げていこうと、とても楽しくやりがいを感じました」と、梅雨の京都で1カ月半かけた撮影を振り返った。