「ノーサイド・ゲーム」と老舗スパイクメーカー・YASUDA 奇跡のスクラム
俳優の大泉洋(46)が主演するTBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(日曜、後9・00)に、崖っぷちから再生を遂げた老舗スパイクメーカー・YASUDA(本社・東京都新宿区)が美術協力している。ドラマは廃部寸前だったラグビー部の再建を描いており、重なるバックグラウンドを持つ企業としてコラボが実現した。同じスパイクを履くことで現場の一体感にもつながり、好調なドラマをサポート。奇跡の復活を遂げたスパイクが、奇跡を目指すドラマの足底を支えている。
重なる精神を持ったドラマとスパイクが、がっちりと“スクラム”を組んだ。
作家・池井戸潤氏(56)の書き下ろし小説を映像化した「ノーサイド・ゲーム」は、18日の第6話が平均視聴率13・0%を記録し、全話で二桁以上と好調をキープ。自動車メーカーのエリートコースから左遷され、弱小ラグビーチーム・アストロズの再建を託された素人GM・君嶋(大泉)たちの活躍を描いており、崖っぷちからはい上がる姿に重なるとして、選手たちのスパイクはYASUDAからの提供を受けている。
YASUDAは、日本初の国産サッカースパイクメーカーとして1932年に誕生した老舗。特徴的な2本のエクセルラインで知られ、36年のベルリン五輪ではのちに“ベルリンの奇跡”と呼ばれる快進撃を見せたサッカー日本代表のほとんどのメンバーが履いていたという。
ところが経営難により、2002年の日韓W杯を目前にして倒産。歴史が途絶えたかに見えたが、18年にクラウドファンディングによって奇跡の復活を果たし、ラグビー業界にも参入している。復活を目指していた時期に「ノーサイド-」と同じ池井戸原作の「陸王」が放送されており、シューズに注目が集まっていたことが後押しになったとして、今回の“恩返し”につながった。
ラグビー部のキャプテン・岸和田徹を演じている高橋光臣(37)は「現場の選手も、スタッフも、出演者も一体となって頑張っていますが、スパイクも一体となっています」と統一されたスパイクがチームワークに一役買っていると証言。献身的にチームを支える佐々一(ささ・はじめ)役の林家たま平(25)は「日本の技術の底力、匠の技を感じています」と感謝した。