東京ジャズ閉幕 C・ロイド、C・コリアの両巨匠が健在ぶりを見せつける

 アジア最大級のジャズフェスティバル「第18回東京JAZZ」が1日、最終日を迎え、メイン会場のNHKホールでは昼の部にチャールズ・ロイドとカマシ・ワシントン、夜の部にはスナーキー・パピーとチック・コリア・エレクトリック・バンドが出演した。

 1960年代から活躍するジャズの巨人ロイド(サックス)は、新たに結成したバンド「キンドレッド・スピリッツ」を引き連れて登場。81歳ながらかくしゃくとしており、フリーからロマンチックなナンバーまで自在なプレイを見せつけ、最後はサックスをフルートに持ち替えてライブを締めくくった。

 現在、最も注目されるジャズマンで、フジロックフェスティバルやサマーソニックにも出演したカマシ・ワシントン(サックス)は東京ジャズ初登場。「偉大なチャールズ・ロイドによる美しい体験に触発された」と先に出演した巨匠に敬意を表すると、カリスマ性に満ちた圧巻のライブを展開し、MCでは多様性の尊重を訴えた。

 バンドにはニューヨークを拠点に活躍する日本人鍵盤奏者のBIGYUKIが参加しており、2度のソロで鮮烈な印象を残した。

 夜の部ではまず、2004年の結成から3度のグラミー賞を獲得しているスナーキー・パピーが9人編成で登場し、ハイクオリティーな演奏を披露。リーダーのマイケル・リーグ(ベース)は「偉大なチック・コリアと同じステージに立てることを本当に名誉に思う」とカマシ同様、巨匠に敬意を表した。

 前夜はアコースティック・バンドで盛り上げたコリアは、アコースティック・バンドの3人にギターのフランク・ギャンバレとサックスのエリック・マリエンサルが加わったエレクトリック・バンドで登場。アコースティック・バンドと同じく1980年代後半に結成された伝説的なグループで、コリアはシンセサイザーに向かい、ジョン・パティトゥッチもウッドベースをエレキベースに持ち替えている。

 この日から参加したギャンバレとマリエンサルは、ソロでもコンビネーションでも超絶的なプレイを披露し、コリア、パティトゥッチ、デイヴ・ウェックル(ドラムス)も大ハッスルだ。

 3曲目は「マイルス・デイヴィスがブルーノートに録音した」という前置きからの、マイルスの「マイルス・デイヴィス・オールスターズ」に入っている「C.T.A.」で、「C.T.A.はシカゴのバスシステムのこと」という解説付き。本編ラスト、5曲目は「子供たちと6週間のバケーションを京都で過ごした」という思い出を振り返ってからの「銀閣寺」だった。

 バンドはステージ袖に引っ込まず、アンコールに突入。エレクトリック・バンドの代表曲「ゴット・ア・マッチ?」で、コリアはショルダー・シンセサイザーをプレイした。最後は観客を背景にバンドと自撮りして、今年の東京ジャズを締めくくった。

 これまで8~9月に開催されてきた東京ジャズだが、来年は5月開催となる。

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