地元広島で初の主役を務める青山恵梨子が意気込み ミュージカル「茶の夢」
旧広島藩主の浅野氏の広島城入城400年の今年、県内では様々な記念イベントが行われている。劇団わらび座(秋田県仙北市)はミュージカル「茶の夢~宗箇さぁと私~」(9月7~22日、広島県民文化センター)を上演する。主役を務める広島市出身の女優、青山恵梨子(27)がデイリースポーツ中国本部を訪れ、作品への意気込みや地元広島への思いを語った。
「茶の夢-」は、江戸時代にタイムスリップした女子高生の詩織が、藩主の浅野長晟とともに入国した武将茶人の上田宗箇らと出会い、神楽を通して交流を深め、生きる喜びを分かち合うストーリー。
詩織役の青山は「神楽やお茶など伝統文化を扱っているので、難しい内容のように思われがちですけど、小学生から年配の方まで楽しめるミュージカルです。広島の歴史や心を再発見し、より身近に感じてもらうきっかけになれば」と語る。
広島市出身で幼少の頃はクラシックバレー、中学2年からは呉市の子供ミュージカルに参加し、女優を志す。短大卒業後、東京のプロダクションに所属し、舞台などで活躍。今年始めに行われた「茶の夢-」のオーディションに応募し、大役を射止めた。
「広島で舞台に立てるチャンスはめったにないので本当にラッキーでした。主役は初めてです。プレッシャーはありますけど、しっかり稽古して家族や友人たちにも見てもらいたい」。女子高生を演じることには「気持ちは今も高校生の時とそんなに変わっていないと思います」と笑う。
東京に暮らして8年になるが、今も地元広島への愛着は変わらない。「むしろ広島にいた時よりも強くなっているかも」。故郷が恋しくなった時は広島のお好み焼きが食べられる店に足を運ぶ。
生粋のカープ女子でもある。「生まれた時からカープファンです。ガラガラの旧市民球場の時から通っていました。東京でも神宮に行ったり、交流戦も見に行ったりしています。どの選手が好きというよりもカープというチームが大好きで、みんなで応援するのがとても楽しい」。
夢のような出来事もあった。7月19日の巨人戦(マツダ)で始球式に登場。浅野氏入城の400年にちなんで背番号400のユニホーム姿でマウンドに上がった。「緊張で頭の中が真っ白になりましたけど、目標だったノーバンで投げることができました」。スタンドから温かい声援を受け、大きなパワーをもらった。9月7日の公演初日へ向けて「生まれ育った広島の素晴らしさを伝えられるよう全力で頑張ります」と意気込みを口にした。
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青山恵梨子(あおやま・えりこ)1992年8月11日生まれ、広島市出身。比治山女子高を経て桐朋学園芸術短大の芸術科演劇専攻ミュージカルコース卒。14年ボートレースCMに出演。舞台は地球ゴージャス「The Love Bugs」、宮本亜門演出「狸御殿」などに出演。