新井浩文被告“強制”否認も示談金2000万円提示していた 被害女性は拒否
派遣型アロママッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪に問われた元俳優の新井浩文(本名・朴慶培=パク・キョンベ)被告(40)は2日、東京地裁(滝岡俊文裁判長)の初公判で「合意があったと思っています」と無罪を主張した。女性は法廷と別室を映像でつないだビデオリンク方式で証人として出廷し、合意を否定。新井被告は示談金2000万円を提示したが拒否されていたことも明らかとなり、全面対決の様相が浮き彫りとなった。20席の傍聴券を求めて532人が並び、注目の高さをうかがわせた。
狂気をはらんだ役柄で人気を博した演技派俳優が、被告として立った法廷は、性的な言葉が飛び交う修羅場となった。
新井被告は髪を短く切りそろえ、黒のスーツとネクタイ姿で現れた。冒頭で「本当にすいませんでした」と女性に頭を下げたが、起訴状の認否については「暴力は一切やっていません。合意があったと思っています」とキッパリ否定した。
弁護側は、新井被告が複数のアロママッサージ店の常連となる中で「性的な気分になり誘いに乗ってくる女性もいた。中には性交までしたこともありました」と説明。問題となっている昨年7月1日について、「(女性が)拒否していないと思いました。怖い言葉も言っていない」などと代弁し「今となっては女性の意に反した性交に対し謝罪の気持ちを持っているが、暴行・脅迫を用いておらず強制性交罪は成立しない」と主張した。
焦点は「強制性交罪に当たる暴行をしたか」「合意があると誤信することがなかったか」の2点。証人として出廷した女性も、当日の様子を赤裸々に明かした。新井被告を施術した経験のある同僚から「手首をつかまれたり、タオルを引っ張り合ったことがある」と注意を受けていたことを証言。寝室で紙パンツ一枚の新井被告は、そけい部に手が至ると興奮し始め、女性の右手を引っ張って陰茎にこすりつけるなどしたのち、性交に至った。行為後に「悪いことをしちゃったね。お詫び」と正規の施術費1万8500円とは別に5万円ほどを女性のかばんに突っ込んだという。
女性は行為中に必死に抵抗を続けたとし、合意は「していません」と真っ向対立した。新井被告が示談金として当初1000万円を提示し、起訴前には2000万円まで増額したが拒否されていたことも明らかとなった。
弁護側は、女性が主張する「『(陰茎を)入れないで』と拒否した」や「膝を閉じて抵抗した」ことが供述書などに残っていない点を確認し、主張の信ぴょう性に疑問を示した。26日の第2回公判では被告人質問が行われる。