ザ・フー 13年ぶりニューアルバム「WHO」11・22リリース決定
ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・キンクスと並び4大ロックバンドと称される英国のレジェンド、ザ・フーが13年ぶりのニューアルバム「WHO」を11月22日にリリースすることが13日、発表され、新曲「ボール・アンド・チェイン」が先行リリースされた。
ザ・フーは1964年に最初のレコーディングを行ってから世界で1億枚以上のレコードを売り上げ、全米で9枚、全英で10枚のアルバムをトップ10に送り込んでいる。アルバム「トミー」(69年)でロック・オペラというジャンルを確立し、「フーズ・ネクスト」、「四重人格」などの名盤を制作。モッズ・カルチャーの中心的存在で、英国のファッションや文化全般を語る上でその存在は欠かせない。
「WHO」は今年の春から夏に英ロンドンと米ロサンゼルスでレコーディング。ギターのピート・タウンゼントと、オアシスやノエル・ギャラガーを手がけるD.サーディが共同プロデュースし、ボーカルのロジャー・ダルトリーのソロ「アズ・ロング・アズ・アイ・ハヴ・ユー」(2018年)をプロデュースしたデイヴ・エリンガがボーカル・プロダクションを担当した。
レコーディングにはオリジナルメンバーのピートとロジャーに加え、フー作品やライブではおなじみの顔がそろった。リンゴ・スターの息子ザック・スターキー(ドラムス)、ピノ・パラディーノ(ベース)、ピートの弟サイモン・タウンゼント(ギター)、ベンモント・テンチ(キーボード)、カーラ・アザー(ドラムス)、ジョーイ・ワロンカー(同)、ゴードン・ギルトラップ(ギター)が参加している。
ジャケットデザインはビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で知られる英ポップ・アーティスト、サー・ピーター・ブレイク。12日に米ニューヨークのPaceコンテンポラリー・アート・ギャラリーのオープニングとして発表され、フーもアコースティック演奏を披露した。
ロジャーは「73年の『四重人格』以来最高のアルバムを作り上げたと思う。ピートは衰え知らずで今も素晴らしいソングライターであり、相変わらず斬新だ」と自負。
ピートは「ほぼ全曲が昨年書いた新曲で、例外は2曲だけ。テーマは無し、コンセプトも無し、ストーリーも無し、ただ私(と弟のサイモン)が、歌声を新たによみがえらせたロジャー・ダルトリーに刺激とやりがいと展望を与えようと書いた曲を集めた」と説明した。
「ロジャーも私も今となっては老人だ、どう考えても。だから私はロマンスとは、できるなら郷愁とも距離を置くようにした。誰にもきまりの悪い思いはさせたくなかった。思い出なら問題ない。現状の一触即発なありさまに言及した曲もある。私は18年の夏に自宅のスタジオで新旧さまざまな楽器を用いて全曲のデモを改めて作った。ザ・フーとしては19年3月にレコーディングを始めて今、8月の終わりに完成した。これでなんとかLPの、もしかしたらカセットも…11月のリリースに間に合ったよ」と、ユーモアも交えて内容を語っている。