TBS やらせの理由、「消えた天才」スタッフ「天才を強調したかった」
TBSは25日、東京・赤坂の同局で定例会見を開いた。ドキュメンタリーバラエティー「消えた天才」、紀行バラエティー「クレイジージャーニー」で相次いで発生したやらせ問題に関して、佐々木卓社長は「この2つの番組は、いずれも事実を前提とした番組であり、視聴者との約束を逸脱したアンフェアな手法があった」としたうえで「あってはならない。深くお詫びします」と陳謝した。
「消えた天才」に関して同局は、スタッフが社内調査で「天才の度合いを強調したかった」と話しているとした。
現状は、現在明らかになっている計4件のやらせ以外には確認できていないが、調査を続けているとした。
◆「消えた天才」問題…8月11日の放送で、リトルリーグの全国大会で活躍した当時12歳の少年の試合映像を紹介した際、映像を早回しすることで実際の投球よりもスピードが速く見えるよう加工。また、昨年1月3日放送で卓球をする女性の映像のスピード、フィギュアスケート選手のスピンスピードを、同11月4日放送でサッカーをする男性のドリブル突破を図るスピードを、いずれも2割程度速く加工した。調査完了まで放送休止。
◆「クレイジージャーニー」問題…8月14日に特番と通常枠で放送した、爬虫類の専門家が珍しい生物を捕獲するのに同行取材するメキシコでのロケで発生。専門家が捜索しても発見できず、スタッフが事前に現地協力者に頼んで捕獲しておいてもらった生物を放ち、その場で発見したかのように撮影した。紹介した6種類中4種類が準備したものだった。番組は調査が終わるまで休止。