阪神・淡路大震災テーマの朗読劇が神戸でスタート 地元出身キャストも
阪神・淡路大震災を題材にした音楽朗読劇「ヘブンズ・レコード~青空篇~2019」の神戸公演(29日まで)が27日、神戸市中央区の神戸新聞松方ホールで始まった。大切な人を失った心の痛み、その傷を癒やす周囲の優しさなどを丁寧に描く。
震災5年後の神戸が物語の舞台。ワゴン車を使った移動式の中古レコード店「ヘブンズ・レコード」にはいろんな客が来る。幼い息子を亡くした父親ら、震災の悲しみから立ち上がろうとする人々に、店長は救いのレコードを差し出す。
震災を演劇で伝える活動に取り組む「“未来へ生きる”演劇実行委員会」と神戸新聞社などの主催で、同市出身の岡本貴也氏が作・演出を務める。昨年に続き東京と神戸で2年連続で上演することになった。
2・5次元ミュージカル「刀剣乱舞」などで活躍する俳優・有澤樟太郎やTVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で人気の声優・高槻かなこら、県内出身の若手が出演。音楽デュオ「花*花」が生演奏で舞台を彩る。
27日に出演した高槻は「震災当時は1歳で、がれきだらけの街など見たことがなく、そんな状態だったのかと改めて驚いた。家族の絆などについて考えてもらえれば」。有澤も「朗読劇は一つ一つの言葉の重みが違う。お客さんの想像力に訴え掛ける作品にしたい。見終えて前向きな気持ちになってもらえたら」と力を込める。
28日は午後2時、6時、29日は正午、午後4時でそれぞれ開演。料金は6500円(税込み)。問い合わせは同委員会TEL078・335・7566