爆笑問題 令和の野望「ひょうきん族」みたいな番組やりたい

 お笑いコンビ・爆笑問題がライフワークとしている「タイタンシネマライブ」が、11日の公演で10周年を迎える。2カ月に一度、芸人仲間とのステージを、全国の映画館へと生中継。テレビ出演だけでも多忙を極めるが、漫才師の矜持とばかりに新ネタを毎回準備し続けている。昭和63(1988)年に結成して、昨年で30周年。平成に確固たる地位を築いた太田光(54)と田中裕二(54)が、令和に抱く新時代の“お笑いビジョン”とは-。

  ◇  ◇

 元々は1996年2月にスタートした定期公演だったが、2009年10月からは『お笑いライブビューイング』へ進化した。10年前に映画館を“寄席”に変えたのは、所属事務所・タイタンの社長で、太田の妻・光代氏のアイデアだった。

 太田「社長にそもそもの夢として、『レストランシアター』みたいなのを建てたい、というのがあって。映画館で夜、お酒でも飲みながら、というのがその発想に近かったんじゃないかな」

 得意の時事ネタによる新作漫才を毎回披露。ネタ作りはかつては2人きりで行っていたが、今は作家3人も含んだ分業制で、2カ月に一度、新ネタを生み出す“ルーティーン”に取り組んでいる。

 田中「ウチの事務所ですから、僕らが出ないのはありえない」

 太田「クリープみたいだから」

 田中「ん!?クリープのないコーヒー…誰も分かんないよ。僕らは使命としてやってます。作家と太田を中心にネタを出し合って、僕がこのネタやるやらないとかを仕切って」

 太田「その時だけは編集長と呼んでます」

 田中「言ってない。今初めて言っただろ」

 芸能、スポーツ、政治…ジャンルを問わない時事ネタを、ふんだんに盛り込んだ笑い。太田の“過激発言”は時に、SNS社会で炎上を招くこともある。

 太田「ネットの批評は全く目にしないし、そういうのは意識しない。ただむしろ、怖いのはウチの社長とか」

 田中「時代によってウケ方に変化はあるんですよ。今は『オカマ、気持ち悪い』と言うと、ひかれてウケない。コレは別に気を遣って炎上しないようにしてるのではなく、ウケないからやらない。その代わり北朝鮮なんていうのは、絶対触れなかったはずのモノが、今は金正恩がどうのって僕らも漫才でやってるなんて、20年前は考えられないできごと。いろんな価値観、空気は変わってますよね」

 時代の空気を読む力で、お笑い界の第一線を走り続ける2人。“令和ウケ”しそうな構想は、脳裏にしっかり浮かんでいる。ヒントとなったのは昭和の人気番組だ。

 太田「『オレたちひょうきん族』みたいな番組をやりたいというのが、お互いにあって。その前の『シャボン玉ホリデー』や『ゲバゲバ90分』とか、スタジオコントのようなのを」

 田中「そういう番組がどんどんなくなる時代に、僕らはちょうど出てきて。作り込んだモノで数字(視聴率)が取れなくて、どんどんそうじゃない方に行って。ただ、コント番組を全く見たことがない世代の子たちが、『YouTubeより面白いじゃん』と、1周回って来てくれないかなと期待してるんですよ。懐古主義にはなりたくないんだけどね」

 太田「やるならNetflixかもしんない。全裸編集長とか」

 田中「(Net-ドラマ『全裸監督』の)パクリじゃねーか!!」

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