金田賢一 父・正一氏との最後の会話、「救急車呼ぶ?」「いや大丈夫」
6日に敗血症のために亡くなった元巨人の金田正一氏の息子で俳優の金田賢一(58)が6日、都内の自宅で取材に対応。偉大なる父の死を惜しんだ。
父の死をテレビで流れるテロップで実感したという賢一。言葉はなかったものの穏やかに眠る父の顔から「最後まで懸命に生きようとする姿を見せてくれた」と感謝した。
野球界に大きな功績を残した偉大な父。野球に関しては「血の気が多かった」と熱血漢だというが、自宅では「とても繊細な人。勝っても負けても笑顔で帰ってきていた」と笑顔で父の性格を明かした。
野球選手と俳優-。職業は違うものの父からアドバイスをもらった。俳優を始めて間もない頃、賢一がサングラスをかけていると、父から「らしくぶるな。伴っていないのに喜ぶな」と初心に立ち返るよう助言を受けた。40年経った現在でも父の言葉が鮮明に記憶に残っているという。
最後に父と交わした言葉は「救急車呼ぶ?」の質問に対して「いや大丈夫」の一言。入院してからは意識はないものの、病室で野球中継などを流していたという。賢一は「一緒に見てくれているだろうと思った。一緒に過ごせて良かった」と胸をなで下ろした。
父と野球をしたのはたった3回。小学生の頃に近所でキャッチボールをしたという。野球選手の父で良かったと思うのは、生の野球解説が横で聞けることで「よく予想が当たっていたんですよ」とほほ笑んだ。
前人未踏の400勝など輝かしい功績を残した父。賢一は「野球一筋の父でしたからあの世に行っても野球していると思います」と天を仰いだ。