和田誠さん逝く 妻平野レミ「安らかにね」…「週刊文春」表紙「ハイライト」パッケージ
「週刊文春」の表紙を40年以上にわたって手がけるなどした日本を代表するイラストレーターで、アニメーション作家、絵本作家、映画監督、エッセイストなど幅広く活躍した和田誠(わだ・まこと)さんが7日、肺炎のため東京都内の病院で死去したことが11日、分かった。和田誠事務所が発表した。83歳。通夜、告別式は近親者のみで執り行われた。後日、お別れの会を開く予定。妻で料理愛好家の平野レミ(72)は「安らかにね」と夫への思いのこもったコメントを発表した。
平野によれば、和田さんは1年ほど前から体調を崩して自宅で療養しており、7月から入院していた。肺炎を患い、最後は家族に見守られながら静かに息を引き取ったという。
和田さんは、肺炎を患って以降、食事ができなかった。平野は、遺体の横に和田さんが好きだった食事を置いたことを告白。「最後の料理を作っている時はすごく幸せで、『私にとっての一番の幸せは、和田さんにご飯を作ることだったんだ』と改めて気付きました。47年間、私の料理を美味しい美味しいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね」と感謝した。
和田さんは1936年生まれ。57年に第7回日宣美賞を受賞。60年、たばこ「ハイライト」のパッケージをデザインして注目を集めた。週刊誌の表紙に描いた似顔絵などで69年に文春漫画賞を受賞。77年から40年以上にわたって「週刊文春」の表紙絵を手がけた。
84年には「麻雀放浪記」で監督デビュー。小泉今日子(53)主演の「怪盗ルビイ」なども手がけた。日本のショービジネスを扱った「ビギン・ザ・ビギン」で日本ノンフィクション賞。94年には幅広い業績に対して菊池寛賞が贈られた。
平野とは72年に結婚。長男はロックバンド・トライセラトップスのボーカル・和田唱(43)。和田の妻は女優・上野樹里(33)。