唐十郎 43年ぶり下北沢に出現の紅テントで笑顔「ずいぶん照れるもんで」
日本のアンダーグラウンド演劇をけん引した劇作家、演出家、俳優で、劇団唐組座長の唐十郎(79)が16日、東京・下北沢線路街 空き地で、俳優の柄本明、唐組座長代行の久保井研、本多劇場グループ総支配人の本多愼一郎氏とトークショーを行い、元気な姿を見せた。
年齢を考慮して写真撮影だけの参加となった唐だが、「座長の唐十郎です!」と、張りのある声であいさつ。「この度はこうやってやってもらい、ずいぶん照れるもんで、面白いね」と笑顔を見せ、「ともかく、僕は彼(柄本)とは久しぶりでして、これからもよろしくお願いします!」と、熱心な唐ファンで、本多劇場旗揚げ公演「秘密の花園」などで唐作品に出演した柄本と握手を交わした。
トークショーは唐作・演出、久保井演出・出演の唐組「ビニールの城」が同所で18~20日に上演されることを記念してのもので、状況劇場時代からのトレードマークである紅テントが下北沢に張られるのは実に43年ぶりのこと。トークショー後には柄本、久保井、本多氏と共に、紅テントの前で記念撮影を行っていた。
唐は2012年5月26日に自宅で転倒、外傷性脳内血腫と脳挫傷と診断されてからは、13年5月9日の舞台「盲導犬」の制作発表、16年5月15日の蜷川幸雄さんの通夜など、公の場に姿を見せる機会が限られていた。