柄本明 唐十郎作品の醍醐味は「分からない場所に連れて行かれてしまう」

紅テントを前にポーズを決める唐十郎(左から2人目)と(左から)本多愼一郎氏、柄本明、久保井研=東京・下北沢
紅テントを前にポーズを決める唐十郎(左から2人目)と(左から)本多愼一郎氏、柄本明、久保井研=東京・下北沢
柄本明(左から2人目)と握手を交わす唐十郎(同3人目)。左は久保井研、右は本多愼一郎氏=東京・下北沢
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 俳優の柄本明(70)が16日、東京・下北沢線路街 空き地で、劇作家、演出家、俳優で劇団唐組座長の唐十郎、唐組座長代行の久保井研、本多劇場グループ総支配人の本多愼一郎氏とトークショーを行った。唐作・演出、久保井演出・出演の唐組「ビニールの城」が同所で18~20日に上演されることを記念してのもの。

 状況劇場時代から唐演劇のトレードマークである紅テントが下北沢に張られるのは、実に43年ぶり。柄本は1972年4月に上野・不忍池の水上音楽堂で上演された「二都物語」以来「大体見ている」という熱心な唐ファンで、現在、本多劇場が建っている場所で上演された43年前の下北沢公演「下町ホフマン」も見ているという。また、82年の本多劇場こけら落とし公演「秘密の花園」、88年の下町唐座「さすらいのジェニー」などで唐作品に出演している。

 柄本は「僕にとっては紅テント、状況劇場、唐組というのは見るもの。お客として見たい。やるのももちろん非常にけっこうなことですが、やはり見ていたい。今でも唐組の芝居を見ています。ほとんど唐組の芝居しか見ていない。(他の芝居を)全く見ないというわけではないんですけど」ときっぱり。

 唐作品の魅力について「何やってんだか全然分からないです。ある言葉が突き刺さってきたり、唐さんの世界にもってかれちゃう。ああいう荒事ですね。不思議な言葉が突き刺さって、思わず涙が出て感動してしまう。分からない場所に連れて行かれてしまう、それが醍醐味ですね。やる方としても素晴らしい舞台だと思うけど、やる方の自分はあまりよく分からないです」、「唐さんのお芝居は面白いですね。分かったって面白くないもんね。なんか分からないのが面白いというと、それはちょっと変だけど。例えば、テレビドラマってあるでしょう。あれは分かりすぎて分からなくない?なんかそういったもんですかね。唐さんの芝居は面白いですね」と、熱弁を振るった。

 43年ぶりに下北沢に出演した紅テントについては「(下北沢は)こういう街、って安心の場所に、なんか不安なものができるという。面白いと思う。何やってるんだろうという興味から始まって、演劇ファンが増えてくれればいいと思う」と期待していた。

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