新派俳優・筑前翠瑶さんが死去 86歳

 新派俳優の筑前翠瑶(ちくぜん・すいよう=本名・山本武光)さんが8日に心不全で亡くなっていたことが21日、分かった。86歳。福岡県宗像市出身。新橋演舞場が発表した。通夜、告別式は故人の遺志により密葬にて行われた。

 日大芸術学部演劇学科を卒業後、1955年に劇団新派に入団し、伊志井寛氏に師事。70年に幹部に昇進。当たり役に「佃の渡し」のお槙、「京舞」の片山光子、「深川年増」のスリの子分、「太夫さん」お倉など多数。特に北條秀司の傑作喜劇「狐狸狐狸ばなし」では、法印に血道をあげる牛娘と仇名の長者の娘・おそめを好演し、個性的で存在感のある数々の役に深い味わいを残した。

 最後の舞台は今年2月の「競春喜劇名作公演」での「華の太夫道中」だった。

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