松尾スズキ ハガキ職人の過去を語る「読んでもらうのが生きる糧になってたかなあ」
人気劇団「大人計画」を主宰する劇作家、演出家、俳優の松尾スズキ(56)が22日放送のNHK総合「インタビュー ここから」で、いわゆる“ハガキ職人”だった時代を語った。
中学生の時に「腎臓の病気」になり、「孤独でしたね」という中学、高校時代を送った松尾は「なんでこううまくいかないんだろうみたいなことばっかり考えてましたね」、「自意識ががんじがらめになっちゃって、爆発しかけてた」と振り返った。高校生の時は「マント着て、黒いマフラーして自転車で街を疾走して、自分は魔人だと思ってましたからね。自分は人じゃない、魔人だと思い込んで街を疾走してましたからね」といい、「超シリアスですね。全然、笑い話にできない時代かな、高校の時は」と苦笑いした。
そんな時代の救いになったのが深夜ラジオ。「その頃タモリさんとか、所(ジョージ)さんとか、(ビート)たけしさんとかが始まった頃かなあ。それがやっぱりすごい面白くて、夜中にこっそり布団の中で聴いてて、ラジオに投稿したり。『パックインミュージック』っていう番組があって、応募して読まれることが喜びだったですね。けっこう読まれてました」と、いわゆる“ハガキ職人”になったという。
松尾は「読んでもらうのが、生きる糧になってたかなあ」としみじみ語り、「快感だし浄化だなと思います。成仏というかね」と、その効果を明かした。
松尾はその後、漫画家になろうと進学した九州産業大学時代に演劇の道を歩み出し、1988年に大人計画を旗揚げした。