天皇陛下が内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が２２日、国事行為として皇居・宮殿で執り行われた。即位から半年近くが経過。陛下は上皇さまが築いた象徴像を継承し、皇后さまと共に国際親善や戦没者慰霊、地方訪問などの重要な活動を着実にこなされ、順調な船出を印象付けている。皇后さまは今も療養中の身だが、この日の即位の礼では国内外の賓客を前に凜とした姿を見せた。宮内庁幹部は「皇后さまの体調回復がお二人の好調な活動を後押ししている」と指摘する。

　適応障害による療養が１６年近くに及ぶ皇后さまは近年、目覚ましい回復を見せる。以前は地方などへの同行が難しく、陛下の単独活動が目立つ時期もあったが、ここ数年で皇后さまが同行する機会が格段に増加した。

　特に即位後は４回の地方訪問を含め、予定した主要な公務を両陛下でこなした。ある幹部は「陛下の即位を控えた昨年ごろから、皇后になるという強い覚悟が表情に表れていた」と振り返る。

　年内は、伊勢神宮（三重県）や神武天皇陵（奈良県）の参拝など、即位関連儀式に伴う地方訪問が続く。来年は、初の外国訪問が見込まれているほか、夏に開催される東京五輪・パラリンピック両大会で、名誉総裁の陛下が開会宣言する見通しだ。