新井浩文被告 怒気まじり「なんで違うのか」女性従業員の意見陳述に 第3回公判
派遣型アロママッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪に問われた元俳優の新井浩文(本名・朴慶培=パク・キョンベ)被告(40)の第3回公判が23日、東京地裁(滝岡俊文裁判長)で開かれ、検察側が懲役5年を求刑した。女性の意見陳述書が代読され、無罪を主張する新井被告が、怒気をはらんだ声で今までの証言との矛盾点に疑問を呈するなど、最後まで全面対立のまま結審。次回12月2日に判決が言い渡される。
これまで通りの黒いスーツ姿で入廷した新井被告は、前回よりもますます白髪が増え、鼻の頭は赤く、表情は疲れ切っていた。女性の意見陳述書が配られ、代理人によって読み上げられると、始めは無表情で字を追っていたが、女性に性的行為を迫る描写に顔色が変わった。ぐっと前のめりになり、隣にいた弁護士に何かを確認。口元に手を置き、首をひねった。
検察側は体格差などから抵抗ができず、性交前に素股を拒否するなどしているのだから合意を誤信するはずはないとし「真摯(しんし)な反省の態度が見られない」と懲役5年を求刑。弁護側は「強制性交罪の暴行には当たらない。素股は風俗的な行為なので嫌だが、性交ならいいということはありえる」などと無罪を主張した。
最後に発言を求められ、証言台に立った新井被告は「言いたいことは言ったので、なかったんですけど…」と切り出し、陳述書の「両手で頭をわしづかみにされ、口に陰茎を押しつけられそうになり、抵抗できなくなってしまった」などとつづった箇所を早口で読み上げた。納得のいかない口調で「今まではずっと抵抗していたと言っていたので、なんで違うのかと思いました」と疑問を投げかけ、言葉には怒りがにじんでいた。