戸田恵梨香、女優人生第2章 朝ドラ「スカーレット」で新境地
現在放送中のNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜、前8・00)が9月30日にスタートしてから約1カ月がたった。主演に起用された女優・戸田恵梨香(31)はこのほど、都内でデイリースポーツの取材に応じ、「きっと(撮影期間)1年で得るものって大きい。それを経たときに自分がどうなっているか楽しみ」と、ハングリー精神でいることを明かした。昨年30歳を迎えた戸田は今作で、女優としての“第2章”に挑んでいる。
物語の舞台は、滋賀・信楽。戸田が演じるヒロインの川原喜美子(きみこ)が「陶芸」と出会い奮闘する波瀾(はらん)万丈の人生を描く。喜美子が成長と共にさまざまな壁にぶつかって負けずに生きる姿が話題で、15日に放送された第12回では現時点での最高視聴率22・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。26日放送の第24回では18歳になった喜美子が「恋愛」に触れるシーンが描かれた。
朝ドラの撮影は1年近くの長期にわたる。戸田は4月にクランクインし、その前に陶芸の特訓も行っているが「まったく長く感じない」という。体力的にも問題なく取り組めており、現場スタッフのチームワークも背中を押してくれているという。「1クール(約3カ月)の撮影では味わえないぜいたく感を味わっている」と朝ドラならではの雰囲気をエンジョイ中。「きっと1年で得るものって大きい。それを経たときに自分がどうなっているか楽しみ」と一回り大きくなった自身の姿を楽しみにしている。
同作では喜美子が当時、男社会だった陶芸の世界を、女性として切り開く姿を描く。撮影前には3カ月間、陶芸の訓練を積んだが、「実際、稽古を始めると本当に体力勝負で、(土を)練りきれなかった」と改めて厳しさを実感した。体力作りのために週2回ジムに通い、食事も改善。もともと細身だったが、体重は5キロ増量し、体も朝ドラ仕様となっている。
幼少期を演じた子役の川島夕空(11)からバトンを受け取り、第2週から登場。制服に身を包み、けなげな15歳の姿も話題となった。その後も眉毛が見えるほど短い前髪と時代を感じる服装に、「昭和に合わせているので、ここまで短い前髪は初めて。貧乏だなあって、いろんなところで感じます」と笑った。「自分でも全然見慣れないんですよ」とルックス面での新境地にも挑戦している。
若手の登竜門ともいえる朝ドラヒロインを、30歳で務めるのは不思議な運命の導きだった。昨年8月に30歳を迎えたころ、フォロワー320万人を超える自身のインスタグラムの過去の投稿を削除するなど“断捨離”が話題となった。20代で余分に得た「もの」や「思い」を切り離すと、ちょうどその時期に出演オファーがあった。「自分の中に空白ができていて、そこにスッと入ってきたので、なんかできるかもな」と決心。どんぴしゃのタイミングで舞い込んできた朝ドラで、女優人生“第2章”のスタートを切った。
戸田は「いろんなものを受け入れられるように、もっと自分が高い位置にいられたらいい」と女優としてステップアップすることをイメージしている。高みを目指し続けるヒロインは、物語と共に成長することを誓った。