トリリンガル女優・桜庭ななみ 日本“凱旋”朝ドラ「スカーレット」ヒロインの妹役好演

 笑顔で手を振る桜庭ななみ=東京都渋谷区・NHK(撮影・園田高夫) 
 朝ドラ「スカーレット」のワンシーン
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 女優・桜庭ななみ(27)が、現在放送中のNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土、前8・00)に今月4日から登場している。ヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)の妹で、川原家の自由奔放な次女・直子を演じている。近年は中国語と韓国語を習得し、海外にも活動の範囲を広げているが、朝ドラという日本のドラマの王道に“凱旋”。異国で培った経験を胸に、「後悔がないように。愛されるキャラクターに」と意気込んでいる。

 「スカーレット」で桜庭が演じる直子は、ワガママな性格の裏で幼い頃の戦争経験にトラウマを抱える繊細な役。今月4日の第31回からは子役に変わって桜庭が登場。ここから40代までの直子を一人で演じきる。

 川原家は主人公で長女の喜美子(戸田恵梨香)、妹の百合子(福田麻由子)の3人姉妹。現場では「とにかく戸田さんに頼りっぱなし」で、本当に姉のような存在だという。福田については「すごくしっかりされていて、私が妹みたい」と気持ちは“末っ子”だ。

 プライベートでも姉と弟にはさまれた3人きょうだいの真ん中。「お姉ちゃんの物をほしがったり、奪ったりとかしていたので、ものすごい似ている。それを(姉が)優しく流してくれるのも似ている」と喜美子と直子の関係は現実とリンクしている。

 滋賀・信楽で育った直子は、のちに夢を抱いて上京する。鹿児島出身の桜庭も「高校卒業して看護師の資格取ったら、東京の病院で働くって決めてた。とにかく東京だったんです」と東京への思い入れがあった。家族構成や都会への憧れ、演じる上でも直子と自身の共通点を楽しんでいる。

 2014年頃から語学を学び、中国語と韓国語を話す“トリリンガル女優”に。近年では福山雅治(50)が主演した香港・中国合作映画「マンハント」(18年日本公開)などに出演し、世界を舞台にする女優へと成長した。海外志向が強いようにも見えるが「海外で仕事したいって気持ちもあるけど、やっぱり日本の作品に出たいなって思いが強かった」。日本の“伝統”ドラマとも言える朝ドラへの出演は、桜庭にとって“凱旋”でもあった。

 昨年にはデビュー10周年を迎えた。節目のタイミングでの朝ドラ初出演。オファーには、「安心したっていうか、(日本に)戻ってこられて良かったなって。海外での不安があったからこそ、すごくありがたく感じました」と、異国の空気を味わったからこそあふれた感情があった。

 海外では言語の習得以外にも「自分の考えを表に出す」ことを学んだという。だからこそ今作では、「言われた通りだけではなく、自分の意思ももっともっと前にぶつけていけるようにしなきゃ」と、海外での挑戦を生かそうと意気込んでいる。

 外国語で演技ができるレベルに到達しているが、それでも、今作では「言葉」に大苦戦している。関西弁と言っても、滋賀で育った直子が話すのは「滋賀ことば」。慣れないながら、「違和感をよりなくすように、台本にひらがなで全部書いて、音程を付けてセリフを覚えています」と工夫して身体に染みこませている。

 現実との共通点を楽しみ、海外での経験を生かすことを誓った今作。桜庭は「演じきった!っていうすがすがしい気持ちで終わりたい。他の作品に入ったときに、この現場で学んだことや、役でつかんだものを生かしていきたい」と宣言した。

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