藤井七段 最年少タイトル挑戦絶望的…王将戦挑戦者決定リーグ最終局で痛恨逆転負け
将棋の藤井聡太七段(17)が19日、東京・将棋会館で指された、第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ最終局で、広瀬章人竜王(32)に126手で敗れた。リーグ通算成績を4勝2敗で終え、渡辺明王将(35)への挑戦権獲得には失敗。史上最年少でのタイトル挑戦は絶望的となった。中盤で劣勢となりながら、終盤で一度は逆転したものの、最後は見落としで痛恨の再逆転負け。勝った広瀬竜王は5勝1敗とし、渡辺王将への挑戦権を獲得した。
塗り替え続けてきた「史上最年少」の歴史に、初めて大ピンチが訪れた。この日挑戦を決めていれば、1989年、第55期棋聖戦で屋敷伸之九段(47)が記録した17歳10カ月を更新する17歳5カ月でのタイトル戦挑戦となったが、最終盤に痛恨の読み抜けがあり、長蛇を逸した。
現在進行中のタイトル戦で、藤井七段が最速で挑戦する可能性があるのが、第91期棋聖戦。同棋戦は通常、6月序盤にタイトル戦5番勝負がスタート。進行具合にもよるが、藤井七段が挑戦を決めても17歳10~11カ月となり、記録更新がならない可能性がある。
先手番で迎えたこの日の対局は、初手で角道を空ける7六歩。得意の角替わりではなく矢倉を選択した。中盤では劣勢に立たされたものの、粘り強い指し回しで広瀬竜王のミスを誘い、形勢逆転。だが、持ち時間を使い果たし1分将棋となった藤井七段にも手痛いミスが飛び出し、最後は広瀬竜王に即詰みに討ち取られた。
戦いを終えた藤井七段は、さすがにガックリとした様子。「最後は間違えてしまった」と声を震わせた。最終盤、タイトルの挑戦がちらついたかとの問いには「そういうことはなかった」とキッパリ。序中盤に持ち時間を消費しすぎた可能性については「展開が苦しかったので、仕方ない」と肩を落とした。
最年少タイトル挑戦を決められなかったことについては「結果としては、これが実力だなと。実力を高めてまた頑張りたい」と回答。訪れるかどうか不明な最後のチャンスに向け、必死に前を向いた。