T-SQUARE 盟友と「奇跡のセッション」ツアー千秋楽で有終の美

 日本を代表するポップ・インストゥルメンタルバンド「T-SQUARE」が、盟友フィリップ・セス(キーボード)を迎えた東名阪5日間10公演の「HORIZON Special Tour」最終日を24日、東京・南青山のブルーノート東京で迎えた。

 今年2月、キーボードの河野啓三が脳出血で緊急入院(8月23日に退院し、通院治療中)。ニューアルバム「HORIZON」の「レコーディングのリハーサルの最中の出来事」(ドラムスの坂東慧)だった。

 メンバーも「とても大きなショックを受けて」、「アルバムも、もしかしたら出せないかもしれない」(同)という危機的状況を迎えたが、ローリング・ストーンズやデヴィッド・サンボーンなど多くのビッグネームと仕事をしてきた旧知のセスが「奇跡的に参加」(同)。「僕たちの音楽に真剣に向き合ってくださって、素晴らしいアルバムが出せた」(同)。

 今回はそのセスを招いてのツアーで、オープニングの2曲を終えると、伊東たけし(サックス、EWI、フルート)に紹介されたセスは「こんばんは!元気ですか!?T-SQUARE素晴らしいね!」と日本語であいさつ。安藤正容(ギター)と伊東を「レジェンド」とたたえつつ、坂東とサポートベーシストの田中晋吾にも「新しい世代もすぐレジェンドになるよ」と、エールを送るなど、バンドのムードの良さを感じさせた。

 ライブでは「Love Game」など「HORIZON」収録曲を中心に、貴重なナンバーも演奏された。

 「これからSQUAREのオールディーズをお送りしたいと思います。昔懐かしいナンバーを2曲ほど」と伊東が述べ、6曲目に「MISS YOU」、7曲目に「BREEZE AND YOU」と1980年代後半、THE SQUARE時代の名曲を披露。

 8曲目には、セスがザ・フーなどで知られるピノ・パラディーノ(ベース)、フーやTOTO、上原ひろみのザ・トリオ・プロジェクトで知られるサイモン・フィリップス(ドラムス)と組んでいるトリオ「PSP」の、「まだ収録されていない(中略)かなり変拍子の」(伊東)楽曲「Zaku Padadu」に挑んだ。

 坂東の「奇跡のセッションを存分に味わってほしい」という言葉通り、80分間の大熱演。5人それぞれの練達のソロと鉄壁のアンサンブルに魅了され、満席のファンは拍手喝采を送っていた。

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