浜村淳 山田洋次監督の50作目「寅さん」を絶賛 合計172歳の熟練トーク
山田洋次監督(88)とタレントでパーソナリティーの浜村淳(84)が29日、山田監督の故郷、大阪府豊中市で行われた映画「男はつらいよ お帰り寅さん」(12月27日公開)の先行上映会でトークイベントを行った。
着席してからスタートのはずが、浜村は我慢できないとばかりに「お節介で人情味ある寅さんは、渥美清さんの実像と重なりますか」と入場しながら山田監督に質問。山田監督の「渥美さんの中に寅さんがいるっていうのかな。頭のいい、クールで読書家の渥美さんだけど、話をしてると、おっちょこちょいで世話焼きの寅さんが中にいるのが分かる」という回答に満足そうだった。
浜村が「『男はつらいよ』は50本。1作も出来が良くないのがない。みんな名作」とクオリティーを称賛すると、山田監督は「そんなことはない。出来、不出来があるでしょう」と謙そん。浜村から「今度はどういう話にしようとお困りになったことは」と聞かれた山田監督は、「何回かあります。何年も続くと読んでたんで、あれもいける、これもいけるというのもあったし、何もなくなったということもあった」と告白した。
「過去の寅さんの名作が散りばめられている」と“ネタバレ”寸前でPRする浜村に、「(過去の場面の)編集は大変だったけど、面白かった」という山田監督。900人の観客は、「マジメな人、肩書きのある人でも見方を変えると滑稽(こっけい)。どんな人間でもおかしくなる」と話す山田監督と、「笑わせながら、どこかで泣かせる。演出の妙が名人芸」と山田監督の技量を絶賛する浜村の合計172歳の熟練トークに酔いしれた。
また、いまだに豊中に生家が残っているという名誉市民の山田監督は「懐かしい豊中市。生まれた家は父親が自分で設計した。小さいときしかおられなかったが、後にお住まいになった方が大事に大事に使ってくださったので、昔のままに残ってる。僕の年齢で生まれた家がそのまま残ってるのは少ないと思う。幸運なんだなと」と“故郷”への思いを明かしていた。