内藤誠監督 梅宮辰夫さん悼む「夜遊びのイメージも、役者としてはまじめ」

 映画「不良番長」シリーズや「仁義なき戦い」シリーズなどで人気を博した俳優の梅宮辰夫(うめみや・たつお)さんが12日午前7時40分、神奈川県真鶴町の病院で慢性腎不全のため死去した。81歳。妻のクラウディアさん(75)、娘でタレントの梅宮アンナ(47)に最期をみとられた。「不良番長」シリーズの内藤誠監督(83)が追悼した。

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 ぼくが東映で助監督をやってた頃に辰っちゃんがニューフェイスで入ってきて、きつい現場もいっぱいやりましたね。「スピード狂時代」では、まじめな役だったので、ぼくが大学時代に使っていた本やノートを小道具として渡したら「まじめに勉強してたんだね」なんて言ってくれたり。ぼくが監督になってからも気を使わずにやれました。

 「夜遊びしまくってた」みたいなイメージがありますが、「遊んでるなりにきちんとしないといけない」というところは持っていた。飲んでても、撮影に遅れてくることはないし、せりふもきちんと入っている。役者としてはまじめでしたね。現場で文句を言うこともなかった。

 「血染の代紋」や「花札渡世」などを改めて見ると、すごくうまい芝居をしてる。当時、そんな“いい役者”と気づいていなかったことを反省してます。

 本当に人が良くて、無理な仕事も頼んだら断らなかった。斎藤工主演の「明日泣く」でもギャラ10万円か20万円くらいなのに特別出演してくれたりね。でも、仕事を依頼する時に「どうして君がこの映画に必要なのか」を説明しようと長々と話をしたのには困ってたみたい。後になって人づてに「あいつがしゃべり出すとかなわん。面白くもないことを延々としゃべる」とこぼしていたということを聞きました。申し訳なかったですね。

 辰っちゃんの結婚式や、お父さんの葬儀、アンナちゃんの結婚式にも行きました。長いつきあいでした。本当に周りに気を使ってたので、今は安らかなほっとした気持ちで休んでほしいですね。

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