周防正行監督「不思議です…」 「カツベン!」撮影の地に凱旋上映

 映画監督の周防正行氏(63)が12日、福島市の旧広瀬座で行われた最新作「カツベン!」の公開直前イベントに出席した。きょう13日の公開を前に一足早く上映会が行われた同座は、同作のメイン撮影が行われた明治20年築の歴史ある芝居小屋。即席スクリーンが舞台上に建てられてレトロな映画館に様変わりし、1年ぶりに帰ってきた思い出の地で凱旋上映を果たした。

 令和の新時代に、100年前の映画館がよみがえった。

 旧広瀬座は132年前の明治20年に大衆娯楽施設として建てられた芝居小屋。サイレント映画の時代、“活動弁士”が実際に出演していた同座で、昨年10~11月に3週間、撮影を行った。

 舞台上に即席の布製スクリーンを建て、桟敷の座布団にはんてん姿の観客120人が座って、大正さながらのレトロな映画館が完成。明治時代の建物で令和発の自作が上映されるという“タイムスリップ”に、周防監督は思わず「不思議です…」と漏らした。

 この日の会場周辺は気温6度の曇天。寒さに身を震わせた監督だったが、隙間から漏れ聞こえる音につられて冒頭だけ鑑賞。スクリーンにくぎ付けになる観客の姿に「歴史のある場所で見てもらえたことは映画監督としてすごくうれしい。久々に来られて良かった」と凱旋を喜んだ。

 同座を見つけるまではメインロケ地となる芝居小屋探しが難航。声の響きから客席の作りまで本作にピッタリの場所をやっとのことで発見し、「楽しい撮影になったのはこの空間があったから。映画人にとってありがたかった」と感謝した。

 同作は「活動写真」と呼ばれていた大正時代のサイレント映画に携わる人々を描く青春群像劇。同所は劇中で「青木館」として登場し、舞台上の演台で主演の俳優・成田凌(26)が見事な話術を披露している。

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