山田洋次監督、寅さん最新作で渥美清さんへの思い吐露…「肉体を超越して表現」

舞台あいさつを行った(前列左から)前田吟、倍賞千恵子、山田洋次監督、後藤久美子、吉岡秀隆、夏木マリ、(後列左から)池脇千鶴、桜田ひより=都内
舞台あいさつを行った(左から)山田洋次監督、後藤久美子、吉岡秀隆=都内
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 映画監督の山田洋次氏(88)が19日、都内で行われた、22年ぶりのシリーズ第50作目となる「男はつらいよ お帰り 寅さん」(27日公開)のプレミア試写会で舞台あいさつを行った。

 主人公の車寅次郎を演じた渥美清さんは1996年に死去。今作では、過去作の映像を4Kデジタルで修復し、作中に寅さんを登場させている。山田監督は「編集作業の中で、ゆっくり渥美さん、寅さんに会えました」と笑顔。その上で「寅さんが一種、抽象的な、幻影のような形で存在している。渥美さんという方はそれを表現できた。年齢、肉体を超越して、精神的な世界を表現する力を持った方だった」と、改めて渥美さんの魅力を語った。

 1997年11月公開の第49作から、22年の時を経ての最新作。早くもさらなる続編を望む声も上がっているが、山田監督は「第1作を作ったときは、当然それで終わるつもりで、続編なんか考えなかった。今度も同じように、まったく考えてもいない」と柔和な笑顔で回答。それでも「そんな風な声が起こるようになればいいなとは思う。けど、まだまだドキドキしている段階ですから」と、公開を心待ちにする心境を明かした。

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