加藤清史郎 インタビュー(2)海老蔵の一言で「俳優で生きていく」 どんなことがあっても
「こども店長」(トヨタ)CMから10年。人気子役だった加藤清史郎(18)が25日から3年ぶりの舞台となるオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「KID VICTORY」(29日まで、上野ストアハウス)に主演する。近年、メディアへの露出がほとんどなくなっていたが、実は「イギリスの高校に通っていました」。来年3月に卒業し、4月からは日本の大学に進学。芸能活動も本格再開する。【インタビュー(2)】
--(留学、俳優として生きていくと決めた)中2といえば子役から俳優への過渡期。変声期もあるし、難しい時期。
「僕ちょうどその時期、『六本木歌舞伎』をやってたんですよ。(市川)海老蔵さんと将来のことを話したりしてる中で、『将来何になりたいの?』と言われて。『野球選手か俳優で悩んでます』と言ったんです(笑)。小さい時からずっと阪神応援してきて、野球が好きで(笑)。
そしたら、『お前、何年、芸能活動やってきてるんだ?』って。『普通のサラリーマンやってたら、13年っていったら大ベテランだぞ。そのキャリアを潰してまで野球をやりたいのか?だったら、(赤ちゃんからの芸歴)13年生かして次に進む方がよくない?』って言われたんです。海老蔵さんがきっかけで、俳優になろうと決めた。僕はこれ(俳優)で生きていく、って。感謝しています」
--いつイギリスに。
「高校1年、2017年4月からロンドン郊外のボーディングスクール(全寮制)に。学生は日本人で、英語以外は日本語の授業なんですけど、先生やハウスマザーとかシェフは向こうの人だったりして。土日は友達と出かけたり、3年生になって、土曜日はアクターズスクール(演劇学校)に通ったり。あとはミュージカルを観劇しにいったり、友達とショッピングいったり」
--多感な時期をイギリスで過ごせたのはよかった?
「日本の学生生活とはちょっと違いましたね。中学の時もびっくりされるぐらい、ずっと学校にいたんですけど(笑)。学業を優先してきていたので。寮生活で本当の学生生活を楽しむことができたのはすごく僕にとって大きい。ホームシックも一度もならなくて、本当は今もイギリスに帰りたくて(笑)。ご飯はおいしくないけど。あと、卒業までほんの少しなんですけど、すごく寂しい気持ちになりますね」
--役者の仕事はしていたけれど、「普通」の子供だった?
「小中高の同級生みんなですけど、『テレビに出てる方が違和感ある』って(笑)言うんですよ。普段から僕を知ってると、テレビに出てるのが変みたいで」
--「俳優」としてやっていくと決めて。
「やっぱりお金をいただくので、遊び、っていう生半可な気持ちでやってはいけない。つらいこともたくさんあると思うんですけど、それすら楽しめるぐらいの好奇心と興味を、僕は芝居に対して持っているので、どんなにつらいことがあっても楽しさで打ちかって。どうなるかは分からないんですけど、実際は。ただ楽しむことだけは僕は忘れたくない」