茂木健一郎氏 日本のエリート層は「ヴィジョンみみっちい」、成長戦略も教育再生も
脳科学者の茂木健一郎氏が27日、ツイッターに連続投稿。日本のエリート層と、シンガポールや中国の一部エリート層の違いを指摘した。前者は「国内で成り上がるための小さく前にならえばかり得意」とし、後者には「グローバルな視点がある」と指摘した。
茂木氏は「シンガポールとか、台湾とか、アラブ首長国連邦とか、あるいは中国の一部とか、ここ数年で接する機会のあった国のエリート層のことを振り返ると、その共通点として、今世界の中で流通している最良、最先端の情報を呼吸しているというグローバルな視点がある。それを前提にネーション構築をしている」と経験から得た考察を投稿。
続くツイートで茂木氏は日本について、「ところが、日本の『エリート層』と話していると、そのような感覚がない。明治維新のころのネーション構築の頃にはそんな感覚が当然あったのだろうけれども、それなりの『成功』を収めて、日本国内だけで評価関数が定まって、その中で出世できるようになったから、世界のトップと通じる必要がなくなった」と指摘した。
さらに茂木氏は「日本で今何が起きているかというと、『エリート』層であるはずの層が、世界の情報に通じていない。国内で成り上がるための小さく前にならえばかり得意で、それ以上のことができない。日本の『成長戦略』だとか、『教育の再生』などのヴィジョンがみみっちいのは、そのことと関係していると思う」と投稿。
「評価関数の設計が間違っていて、未だに日本の『トップ学生層』が『偏差値』のような愚鈍な指数で自分たちや他人を評価して、それを堕落した地上波テレビが『偏差値○○の天才』などと煽っている風景が信じられない。世界のトップとは全く乖離していて、箱庭の中でちいちいぱっぱやっている愚かな群れ」と大きな違いがあると指摘した。
茂木氏はさらに、「日本は本気でネーション構築するべき時に来ているのだと思う。日本は巨大な村社会になった。ドアを開けて風通しをよくしなければならない。世界で今何が起こっているのか、その最先端、最良のトレンドをすばやく取り入れる真の意味でのエリート層が出てこないと日本は衰退するだけだ」とした。