囲碁の史上最年少名人・芝野虎丸二冠、将棋の藤井七段は「意識する存在」
囲碁界初の10代名人となった芝野虎丸二冠(20)が5日、東京・日本棋院で行われた「打ち初め式」に出席。デイリースポーツの取材に応じ、将棋界の最年少プロ棋士・藤井聡太七段(17)への意識を口にした。
充実の1年を終え、新たな年を迎えた芝野二冠は、今年の抱負について、「タイトルを取ったからといって、今までと特別、何か変わるというわけではない。一局一局、大切に打っていきたい」と穏やかな表情で話した。実際に生活面では「変わってないですね」とニッコリ。年末は囲碁の勉強合宿に参加し、年始はゆっくりと過ごしたという。
将棋界にフィーバーを巻き起こしている、同世代の藤井七段については「近い世界なので、意識する存在ではあります」と思いを吐露。その上で「ライバル視とかではなく、互いに高めていければいいなと思います」と、“格上”の余裕ものぞかせた。
打ち初め式では、昨年の竜星戦で七大タイトル8期の強豪・高尾紳路九段(43)や現役タイトルホルダーの村川大介十段(29)を破って準優勝した上野愛咲美女流二冠(18)とペアを組み、一力遼八段(22)、藤沢里菜女流三冠(21)組と対局。時間切れ引き分けに終わったが、打ち初め式ならではの思い切った打ち筋で会場を沸かせた。
対局に先立ってのあいさつでは、十二支の逸話を引用。「ねずみは牛の背中に乗って運ばれて、最後に飛び降りて1番になったといいます。自分もねずみのようにゆっくりと、体調を一番大事にして頑張りたい」とジョークで笑いを誘った。
芝野二冠は昨年11月に張栩九段(39)を破り、19歳11カ月の史上最年少で初タイトルとなる名人位を獲得。12月の王座戦では2度の七冠独占を達成し、国民栄誉賞にも輝いた井山裕太三冠(30)をも破り、二冠を達成した。井山三冠への思いを問われると、「少しは近くなったかもしれないですが、まだまだ遠い、憧れの存在。もっと勉強して近づきたいです」と話した。