ゴーン被告、日本の司法に「憤慨」 逃亡先レバノンから“口撃”8日会見
金融商品取引法違反の罪などで起訴され、中東のレバノンに逃亡した日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(65)が6日までに米FOXビジネステレビの取材に応じた。日産から自分がクーデターで追放されたと主張し、日本の司法の不公平さに「憤慨した」などと語った。8日にベイルートで予定している記者会見で日本政府や日産の関係者らを非難する考えを示し、“口撃”体勢に入った。
ゴーン被告はFOXの取材に、日産とフランスの自動車大手ルノーの統合への反対を背景にした不当逮捕だったと指摘。日本の司法の不公平さに「憤慨した」と述べ、正当な裁判を受けられないため国外逃亡したと主張した。保釈条件で妻キャロルさんとの接触が禁止されたことが「(逃亡の)最後の一押しになった」とも語った。
英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は英国の退役軍人が逃走に関与した疑いがあると伝えた。逃亡に使われたジェット機への代金の支払いに関わった可能性があるとされるが、本人は関与を否定している。
FOXによると、ゴーン被告は東京地検特捜部による逮捕について「私を追放しようとするクーデターがあったことを証明する資料がある」と語った。8日の記者会見で関与した人物の実名を公表する計画で、日本政府関係者も含まれるという。
ゴーン被告は役員報酬を少なく記載した有価証券報告書を提出した疑いなどで逮捕された。保釈中の昨年12月30日にレバノン入りした。
日産は7日、ゴーン被告の逃亡後では初めて正式に声明を出し「日本の司法制度を無視した行為で極めて遺憾だ。(ゴーン被告の)不正行為について責任を追及するという基本的な方針は、何ら影響を受けるものではない」との見解を示した。