ＮＨＫは８日、都内で会見を開き、２０２２年の大河ドラマが俳優・小栗旬（３７）主演の「鎌倉殿の１３人」に決まったことを発表した。源頼朝の妻・北条政子の弟で鎌倉幕府の第２代執権・北条義時を主人公に、三谷幸喜氏（５８）が「新選組！」（０４年）、「真田丸」（１６年）に続いて三たび大河の脚本を手掛ける。三谷氏は、ダークヒーローとも言える最高権力者・義時を明るさをもって描くことが使命と話し、大河最高視聴率の更新を宣言した。

　大河の作品名に洋数字が入るのは史上初で、三谷氏は「新しい大河ドラマを作りたいなと思って、こんなタイトル絶対になかったというのを探して試行錯誤した」と明かした。三谷氏は「新選組！」でも大河史上初めて「！」を入れている。

　家系図を示して「サザエさん（政子）とカツオ（義時）が組んで、頼朝が死んだ後に波平さんを、磯野家から追い出す。そしてタラちゃんを滅ぼしてしまう」とユーモラスに解説。鎌倉殿（鎌倉幕府の将軍）の家臣団１３人による激しい内部抗争を制して権力を握った義時はヒール的要素も強いが「僕の考える義時は孤独な男で、絶望の中で死んでいったのではないかという気がしている」と熱弁を振るい、「こんなダークな主人公が日曜の夜８時に出ていていいのかという感じだけど、そんなダークな男を明るく楽しく描いていきたい。それが僕の使命」と意気込んだ。

　小栗とはこれまでも作品を共にしており、「大河ブランドを背負える方」と指名。仕事で米国滞在中の小栗はコメントを寄せ、「僕にとって俳優としての大きな関門であり、夢であり、挑戦であり、恐れさえ覚える覚悟のいる仕事です」と厳かに受け止めた。

　昨年の「いだてん～東京オリムピック噺～」は大河史上ワーストの全話平均視聴率となった。三谷氏は「数字にはこだわっていない。過去最低視聴率の更新はしないという気持ち」としつつも「面白いものを作って誰も見てくれなければ、その作品は存在しないのと一緒。最低を更新しないと言いましたが、最高視聴率を更新したいと思っています」と“上方修正”した。

　また、「いだてん」、「麒麟がくる」と出演者の不祥事が続いただけに「オファーを受ける俳優さんたちは、スネに傷を持ってるかな？って人は断ってください」と、笑いを誘いながら呼びかけた。