中島みゆき「まだまだやるんですわ」 ラスト・ツアー初日 ファン安心させた!
シンガー・ソングライターの中島みゆき(67)がこのほど、東京・新宿文化センターで、ラスト・ツアー「結果オーライ」をスタートさせた。1975年にデビューし、78年に初めてツアーを行ってから40年以上の長きにわたって全国を飛び回ってきた中島の“最後の旅”。ただ、本人は「『ラスト・コンサート』とは書いてないですから」とライブ活動を継続することを強調し、やきもきするファンを安心させた。
ツアーの開催が発表されたとき、ファンがざわついた。正式タイトルは「中島みゆき 2020 ラスト・ツアー『結果オーライ』」。所属事務所やレコード会社に「コンサートはもうやらないんですか」と問い合わせが殺到したという。
中島のコンサートでは、来場したファンからの言葉を読み上げる「お便りコーナー」が恒例となっているが、初日のステージでも「ラストですか。さみしいです」という嘆きの声が届いていた。
刺激的なツアータイトルに対して、あまりに反響が大きかったこともあり、中島本人が初日のステージ上で、ファンに直接説明した。「『ラスト・ツアー』ですから。『ラスト・コンサート』とは書いてないですよね。『閉店セール』と書いて、3年くらいやってる店みたいなもので、まだまだやるんですわ」。会場の約1800人のファンも胸をなで下ろした。
ただ、全国を細かく回るようなツアーが最後になるのは事実だ。今回は約6カ月の間に延べ15カ所、24公演という比較的ゆったりとしたスケジュールとなっている。しかし、音楽に対して、妥協を許さない中島は、これ以上間隔が詰まると、コンサートのクオリティーを保つのが難しいと考えるようになってきたという。
各地を転々と回るツアーよりも、一カ所でじっくりと腰を落ち着けて、より丁寧にステージを仕上げたいという思い、そして公演と公演の間がこれ以上開くと、そもそも「ツアー」と言うのがはばかられるようになってしまうということもあり、あえて「ラスト」とすることを決めた。今後のコンサートは単発か、あるいは一カ所で一定期間集中的に開催するような形になると見られる。
ファンの不安をよそに、中島は初日公演でゆるぎない歌声を響かせた。最新アルバム「CONTRALTO(コントラアルト)」に収録されている「離郷の歌」、テレビ朝日系ドラマ「やすらぎの郷」の主題歌「慕情」、今年は同タイトルの映画公開も決まっている「糸」など21曲、MCでは笑いも交えながら会場をみゆき色に染めた。