日本人初、仏ミシュラン三つ星 “風味の達人”「ケイ」オーナーシェフ・小林圭さん

 フランスの2020年版のミシュランガイドが27日、発表され、長野県諏訪市出身の小林圭さん(42)がオーナーシェフのパリのレストラン「ケイ」が三つ星を獲得した。フランス料理界の名シェフらが名を連ねてきたミシュランの三つ星を日本人が獲得するのは初めて。小林さんは日本の食材も駆使した独創的なフランス料理で知られ、ミシュランは「風味の達人」と称賛し「正確で綿密、美を追究している」と評価した。

 発表者が「(有名シェフの)アラン・デュカス氏らに育てられた」と切り出すと、名前の発表に先んじて「ケイ、ケイ」と声が上がる。短髪を金色に染めた小林さんが登壇すると、総立ちの会場は大きな拍手を送った。

 「ケイ、ケイ・コバヤシ」。三つ星獲得が発表されると、会場は大歓声に包まれた。小林さんは本場での快挙を「誇りに思う」と力強く語り、「大変びっくりした。外国人である日本人シェフを多く受け入れてくれているフランスに感謝したい」と敬意を払った。

 やや緊張した表情の小林さんは「スピーチは全く準備していなかった」とあいさつを始め、過去に学んだ「偉大なシェフ」のレストランは「かなり厳しく、多くを要求された」が、そのおかげで今があると説明した。「働きづめの自分を支えてくれた」と妻への感謝も忘れなかった。

 小林さんは長野県や東京都でフランス料理の修業を積んだ後、1999年に渡仏。各地のレストランで働きながら学び、パリではデュカス氏の三つ星レストランで副料理長を務めた。2011年にパリ中心部に開店したケイは翌12年に早くも一つ星を獲得。17年に二つ星に昇格した。

 現地メディアは「歴史をつくった」と大きく報じて快挙を称賛した。ルモンド紙によると、フランス人以外で三つ星を与えられた料理人は少なく、「ただでさえ難しい挑戦なのに外国人で成し遂げるのはより大変だろう」と偉業をたたえた。

 主要メディアは小林さんが幼い頃、日本のテレビ番組で取り上げられた三つ星シェフに憧れ、フランス料理人を志したエピソードを伝えた。週刊誌ルポワンは電子版で、小林さんの過去の発言として、日本の色彩の調和やフランスの風味のバランスなど、二つの文化の特色を融合させていると紹介した。

 また日本人では、福岡県出身の田中一行さんが北東部ランスで営むレストラン「ラシーヌ」と、パリにある有名シェフ、ヤニック・アレノさんと東京都出身の岡崎泰也さんのすしバー「ラビス」がそれぞれ新たに二つ星を獲得した。

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