【弁護士の見解】沢尻被告の初公判 判断材料は更生に向けて何を始めているかなど
合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われている女優・沢尻エリカ被告(33)の初公判が、31日に東京地裁で開かれる。昨年11月16日の逮捕以降、保釈時にも姿を一切見せておらず、法廷での言動に注目が集まる。傍聴券の抽選倍率は数百倍に上る可能性も。所属事務所は30日、書面で「医療施設において専門家の指導の下、更生にむけて治療などに励んでおります」と近況説明した。
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沢尻被告の公判について、「弁護士法人・響」の西川研一代表弁護士は「懲役1年から1年6月ぐらい、執行猶予がつくのは間違いなく、3年前後」と指摘した。初犯で営利目的でもないため、過去の初犯の著名人と同程度の判決となる可能性が極めて高いとした。
昨年は芸能人の薬物事件が相次ぎ、社会に与える影響もある。ただ西川弁護士は、国会議員の汚職など職務そのものを利用した犯罪とは違うため、判決に与える影響は少ないとみる。そのうえで「入手ルートをどれだけ明らかにしているか、更生に向けて何を始めているのか、交友関係をどのくらい断ち切っているか」などが判断材料となると解説した。
沢尻被告が逮捕後に、10年ほど前から違法薬物を使用していた旨を供述したと伝わっているが、西川弁護士は量刑に採用されない原則があるとしたうえで「親和性が高いというところでは、考慮されるかも」と指摘した。
また、担当弁護士の河津博史氏は、カルロス・ゴーン被告(65)の事件でも話題。「無罪請負人」の異名を持つすご腕で、西川弁護士は「沢尻被告にどう言っていたのか。ほぼ黙秘でいくように指示していたのか、全部話すように言っていたのか。その辺りは気になります」と戦略にも興味を示した。