「としまえん」閉園 跡地にハリポタのテーマパーク23年めどに開業へ
西武グループが、東京都練馬区の遊園地「としまえん」を2020年以降、段階的に閉園し、跡地に人気映画「ハリー・ポッター」のテーマパークが2023年春頃をめどに開業する見通しであることが3日、分かった。敷地の大半は東京都が買収する。首都圏から広く客を集めた有名施設が、90年を超える歴史に幕を閉じることになり、シンガー・ソングライターのスガシカオ(53)ら著名人から惜しむ声が上がっている。
としまえんは1926年に開園した。公式サイトによれば、財界人の藤田好三郎氏が所有していた土地を、運動と園芸を東京市民に広く奨励するために公開したのが始まり。この土地を収めていた豊島左近太夫景村の居城跡にあたるため「豊島園」と命名された。
遊具施設や複数のプールを備えた大規模遊園地で、製造から100年超の回転木馬や世界初とされる流れるプールがある。2011年にSMAPがデビュー20周年イベントを行うなど芸能イベントも多く開催され、16年に開園90周年を迎えた。
東京都は57年、付近一帯の都立公園化を計画。11年の東日本大震災後、避難場所の充実を図る目的からとしまえんの敷地一帯約22ヘクタールを「練馬城址公園」して優先整備することを打ち出していた。小池百合子知事はこの日、「としまえんは災害の防災拠点。そこをうまく活用していく」と述べた。
跡地の一部は米映画大手ワーナー・ブラザースが借り、映画のセットを再現したテーマパークを建設する案が有力。ロンドンの施設「ワーナー・ブラザーズ・スタジオ・ツアー ザ・メイキング・オブ・ハリー・ポッター」を参考に検討が進んでいるという。
閉園のニュースに、スガシカオはツイッターで「としまえん、なくなっちゃうのさみしーなー」と惜しみ、「豊島園近くのスタジオ プロになる前、よくバンドで通ったなぁ」と懐かしんだ。