拉致被害者・恵子さんの母 有本嘉代子さん死去 94歳…再会果たせず
北朝鮮による拉致被害者で元神戸外大生有本恵子さん=失踪当時(23)=の母有本嘉代子(ありもと・かよこ)さんが3日午後3時23分、うっ血性心不全のため神戸市の病院で死去したことが6日、分かった。94歳。神戸市出身。葬儀・告別式は既に行った。喪主は夫明弘(あきひろ)さん(91)。恵子さんとの再会は果たせなかった。
三女の恵子さんはロンドンに語学留学中だった1983年、デンマークのコペンハーゲン経由で北朝鮮に連れ去られたとされる。
親族によると、嘉代子さんは今年1月3日に自宅で骨折して入院。車いすに座り家族と話して笑顔を見せることもあったが、今月3日に容体が急変した。明弘さんは6日、神戸市内で記者会見し、何度も涙を拭い「言葉が出えへん。そんな心境」と声を振り絞った。
安倍晋三首相は同日、官邸で「元気なうちに恵子さんを取り戻すことができなかったことは、誠に痛恨の極みだ」と悼んだ。