東京・池袋で昨年４月、乗用車が暴走し母子が死亡するなどした事故で、東京地検は６日、自動車運転処罰法違反（過失致死傷）の罪で、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長（８８）を在宅起訴した。

　起訴状によると、飯塚元院長は昨年４月１９日、乗用車を運転中にブレーキとアクセルを踏み間違えて赤信号の交差点に進入。自転車に乗って横断歩道を渡っていた松永真菜さん＝当時（３１）＝と長女莉子ちゃん＝当時（３）＝に衝突して死亡させたほか、男女９人に重軽傷を負わせたとしている。

　過失致死傷罪の法定刑は７年以下の懲役または禁錮か１００万円以下の罰金となっている。真菜さんの夫（３３）は都内で記者会見し「ようやく一歩が踏み出せる」と話した。

　事故で飯塚被告も負傷して入院したことなどから、警視庁は在宅で捜査。昨年１１月１２日、暴走は故意ではないなどとして、罰則の重い危険運転致死傷は適用せず、過失致死傷の疑いで書類送検した。