沢尻エリカ被告、有罪「自分見つめ直す」 薄化粧で無言…閉廷後に直筆謝罪文を発表

 合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われた女優・沢尻エリカ被告(33)の判決公判が6日、東京地裁で開かれ、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の有罪判決が言い渡された。閉廷後、所属事務所を通じてコメントを発表。「今一度、自分自身を見つめ直していきます」と直筆の文字に、更生への覚悟をにじませた。傍聴には19席に対して915人が並び、抽選倍率48・1倍となった。

 先月31日の初公判では、“女優メーク”をばっちり施していた沢尻被告。黒のポニーテールの髪型は変わらず、服装も同じ黒のパンツスーツながら、真っ赤だった口紅のトーンを落とした薄化粧で、判決に耳を傾けた。執行猶予付きながら懲役1年6月の有罪が確定しても、取り乱す様子はなく、裁判官席をまっすぐに見すえた。

 起訴状によると、都内の自宅マンションで昨年11月16日、カプセルに入ったMDMAを含む粉末約0・19グラム、LSDを含む紙片約0・08グラムと液体約0・6グラムを所持したとされる。瀧岡俊文裁判官は「規制薬物の社会的害悪を顧みず、発覚しなければよいという安直な動機に基づく犯行」と断罪した。

 かつては『エリカさま』と呼ばれ、奔放な言動を繰り返したが、NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の撮り直しなど愚行の代償は大きく、瀧岡裁判官は「他人を思いやる心構えが十分でなかった。これからは心構えを身につける必要があります」と指摘。薬物事件の再犯リスクを伝え、「反省の気持ち、更生の意欲にウソはないと信じています」と背中を押すように言葉を向けた。

 8分間で終わった判決公判。沢尻被告が返事以外の言葉を発することはなかったが、退廷の際には神妙な表情で頭を下げた。

 閉廷後、直筆コメントで改めて謝罪し、「犯した罪の重さを自覚し反省していき、全力で更生に向けて努力することが自分のできる唯一の償いと考えております」と再起を約束。「何よりも、他人を思いやるという気持ち、根本の大切なことが私自身には欠落していたのだと痛感させられました」。胸に響いた説諭をかみ締めていた。

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