カーク・ダグラスさん逝く ハリウッド黄金期のレジェンド…マキシムCMで親しまれる
ハリウッド黄金時代に活躍した映画スター、カーク・ダグラスさんが5日(日本時間6日)、死去したことが分かった。103歳。息子で俳優のマイケル・ダグラス(75)が同日、フェイスブックで発表した。1940年代から俳優として活躍し、「OK牧場の決斗」(57年)、「スパルタカス」(60年)、「ファイナル・カウントダウン」(80年)など多数の作品に出演。日本でもコーヒーのCMに出演するなど親しまれた存在だった。
大きな功績を残したハリウッドスターが103歳で世を去った。マイケルはフェイスブックで父の死を公表し、「映画の黄金時代に、黄金の歳月を過ごしたレジェンド」、「何世代にわたっても耐えうる映画のレガシーを残しました」と映画人として敬意を示した。
また、「シンプルに父であり、素晴らしい義父であり、愛すべき祖父であり、素晴らしい夫でした」と家庭人としての一面もたたえた。社会貢献に尽力した側面も強調。最後に、カークさんの103歳の誕生日に自身がかけた「ダッド、とても愛しています。そして、あなたの息子であることをとても誇りに思います」という言葉をささげている。
カークさんは1916年、米ニューヨーク州でロシア系ユダヤ人の家庭に生まれた。大学卒業後、ニューヨークの演劇学校で学び、第2次大戦時に海軍で勤務した後、40年代に映画界入り。49年の「チャンピオン」で脚光を浴び、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。「OK牧場-」などの西部劇で活躍。「炎の人ゴッホ」(56年)といったシリアスな作品にも出演し、幅広く活躍した。
プロデューサーとしても辣腕(らつわん)を振るい、60年にはスタンリー・キューブリック監督と組み、25万人が出演したとされる超大作「スパルタカス」を製作・主演。共産主義者を排除する「赤狩り」でハリウッドを追放されていた脚本家ダルトン・トランボを起用する硬派なところを見せた。70年代後半にはコーヒー「マキシム」のCMにも出演し、日本のファンにも親しまれた。
74歳だった91年には搭乗していたヘリコプターが墜落する事故に巻き込まれたが生還し、役どころさながらのタフガイぶりを発揮。94歳だった2011年にはアカデミー賞授賞式に助演女優賞のプレゼンターとして登場し、健在ぶりを見せていた。
私生活では54年にアン夫人と結婚した。81年には当時のカーター大統領から文民に贈られる最も名誉ある「大統領自由勲章」を授与された。