月組・鳳月杏主演「出島小宇宙戦争」初日 「いままでの宝塚にないワクワク感」

 宝塚歌劇団月組男役スター・鳳月杏(ほうづき・あん)主演の「出島小宇宙戦争」が8日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日の幕を開けた。

 宇宙人が忍び込んでいると噂のあるパラレルワールドの長崎・出島が舞台。デジタル・マジカル・ミュージカルと銘打たれており、登場人物の衣装や装置もスチームパンク風。鳳月も「私が演じる天文方のカゲヤスが『不思議の国のアリス』みたいに、別世界に紛れ込んだ感じ。いままでの宝塚にはない、少年アニメのようなアドベンチャーで、わくわく感がある」と語る。

 鳳月は月組から花組に組替えとなり、再び月組に戻ってきた。舞台映えする押し出しのよい芝居に加え、歌、ダンスと三拍子そろった男役。「花組にいた5年間は濃かった。花組のときは花が一番!でもいまは月組が一番(笑)。下級生には、押し付けるのじゃなく、私が花で学んだことを発見してもらい、組力を上げたい」と穏やかな笑顔を見せる。

 「出島-」は奇想天外な物語だけに、ともすれば空中分解しかねない難しさを持つ。だが鳳月が真ん中にしっかりと立っていることで、ヒロインのタキ役の海乃美月(うみの・みつき)をはじめ、カゲヤスの幼馴染のリンゾウ役の暁千星(あかつき・ちせい)や、シーボルト役の風間柚乃(かざま・ゆの)らの若手スターも自由に伸び伸びと演じ、コメディながらハートフルな作品に仕上がった。

 前回の大劇場の新人公演「I AM FROM AUSTRIA」で主演した英(はなぶさ)かおとや、娘役に転向した蘭世惠翔らの下級生にも見せ場も作られた。組長の光月(こうづき)るうや専科の梨花(りか)ますみらが舞台を締めていた。

 16日まで。東京公演は東京建物Brillia HALL24日~3月1日。

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