新型肺炎死者 中国本土で811人に SARS超え…感染者も3万7198人
中国国家衛生健康委員会は9日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスによる死者が中国本土で89人増え、計811人になったと発表した。2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者数774人を超えた。中国や各国は隔離や検疫による対策を急いだが、大規模な流行を防げず、封じ込めは難航している。
一方、集団感染が起こった「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船している人のうち、新たに複数人から陽性反応が出たことが日本政府関係者への取材で分かった。乗組員が含まれているという。
中国本土では感染者も増え、累計で3万7198人となった。感染者のうち重症者が約6100人、感染疑い例は2万9千人近くおり、被害の拡大が続いている。被害が最も深刻な湖北省では死者が780人、感染者は2万7100人に達した。
また、世界保健機関(WHO)当局者は8日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎の治療法やワクチンについて話し合う11~12日の会合に、台湾が参加すると明らかにした。台湾はWHO非加盟国で、中国の反対によりWHO総会へのオブザーバー参加も認められない状態がここ数年続いており、異例の対応となった。