落語家の桂文枝（７６）が４日、無観客の大阪・なんばグランド花月で３００作目の創作落語「ハッピー・エンジェル」を収録し、吉本興業のＹｏｕＴｕｂｅ公式チャンネルで動画配信した。当初はこの日予定された「六代桂文枝創作落語Ｎｏ・３００発表記念落語会」で発表予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止され、特別配信が決まった。

　冒頭で文枝は「本日はお忙しいところ、たくさん来ていただきまして。本当に忙しい人は来てないでしょうが…。大体こんなことを言うんですが」と誰もいない客席を見ながら切り出し、その後は普段通りの熱演を見せた。

　文枝は「笑いはお客さまに育てていただく、お客さまあってのものなので、無観客で落語を披露することの難しさを感じました。いつもやっているネタ（今回はネタ下ろし）でも難しいのに、お客さまのありがたみが身に沁（し）みました」とコメント。

　学生時代から創作落語に取り組み、ライフワークとしてきた文枝は「１本、１本、一生懸命に作ってきて、その積み重ねで３００作まできましたが、この３００作目が一番思い出深いものになりました。これから何作目まで作れるかわかりませんが、アイディアが思いつくままに作ろうと思います。そして、作りながら前に作ったネタも覚醒させるべく練り上げていきます。本数だけじゃなく、内容のいいものをこれからも作っていきたいと思います」とさらなる創作へ意欲を見せた。

　なお、動画配信は４月１日午前０時まで。